一昨日ブログに取り上げた池田大作・創価学会名誉会長の死去について岸田首相が哀悼の意を表明した。いずれ盛大に「偲ぶ会」を行うことだろう。公明党の支柱である池田氏が亡くなられたことにより、公明党は苦難の旅を続けることになろう。創価学会は最盛期に比べて会員数も827万世帯に減り集票力が落ち、衰退期に入った感がある。公明党はこれからの舵取りが難しくなるだろう。実際昨日の朝日朝刊には池田氏が公明党結党時に掲げた「平和」の金看板は、変質していると指摘している。かつて安倍政権時代に憲法解釈の変更をめぐって自公が協議を進めていた過程で、創価学会と公明党の間に解釈に齟齬が生まれた。学会が改憲手続きを経るべきだとの主張に対して、公明党は今では敵基地能力の保有を容認もしている。学会自体もやや平和の解釈が少々ずれつつあるが、党とは大きく溝が生まれている。精神的な支柱であった池田名誉会長の死によって、益々両者の溝が深まることになるのではないだろうか。
公明党の集票力が低下したのと並行して、自民党政権、とりわけ岸田内閣に対する支持率が、雪崩のように滑り落ちている。昨日発表されたNNNと読売新聞が行った世論調査によると、岸田内閣支持率は、過去最低の24%、不支持率は62%という体たらくである。これほどまで支持率が落ちるとは想像外である。比較的政府寄りのコメントが目立つ読売の支持率がこれでは、平素から自民党及び岸田内閣に対して批判的な見方の朝日や毎日は、もっと厳しいのではないかと考えていたが、調べてみると朝日の支持率は意外にも低いとは言え、読売より1%多い25%、不支持率は65%だった。しかし、毎日の岸田内閣支持率は何と21%で、不支持率は74%である。今や岸田内閣も末期的と言えるのではないだろうか。
岸田首相の余命がそれほど残されていないことを察知したのか、自民党内で見苦しい派閥争いや、露骨な首相批判をする幹部もいる。とりわけ先月参議院議員総会で「首相は内閣支持率が低迷している要因として、国民が期待するリーダーの姿を示せていない。現状において岸田総理の決断と言葉にはいくばくかの弱さを感じざるを得ない」と世耕弘成・参議院幹事長が岸田首相の政治姿勢を酷評した。だが、その後党内であまりにも露骨な詰問に対して、行き過ぎだとか、不快感を感じるなどと批判の声が挙がり、世耕氏は岸田首相に直接謝罪したという。世耕氏は狡い政治家らしく、苦言ではなく助言だとして、首相をしっかり支えていくつもりで質問した。
一方、創価学会と公明党は、いつまでもお互いに意見の相違を抱えているのか。池田名誉会長の死を機会に初志の「平和」についての解釈をまとめるべきであろう。さもないと一般会員の集票力が低下しつつある中で、学会、党ともに会員の信頼を失い、落ち目のまま下り坂を転がり落ちるばかりである。
さて、嬉しい話題として、今日行われた第54回明治神宮野球大会、大学の部決勝戦で母校・慶應義塾大学が青山学院大学を2-0で破り、4年ぶり5度目の優勝を飾った。先日の東京六大学秋季リーグ戦に続いての栄冠である。更に言えば、今夏甲子園の全国高校野球選手権で107年ぶりに優勝した弟分の慶應義塾高校とともに、今年度の大学、高校野球大会で大学、高校とも揃って慶應が日本一の座を掴んだ。メデタシ!メデタシ! 陸の王者 KEIO!