5766.2023年6月4日(日) 天安門事件から34年、中国益々非民主化国家へ

 あれから34年である。世界を震撼させた天安門事件発生からである。1989年4月に改革派の胡耀邦元総書記が死去し、その死を追悼するために学生らを中心に北京市民が天安門広場に「自由」と「民主化」を求めて集まった。そこへ中国人民解放軍が無差別発砲を繰り返し、多くの犠牲者を生み、彼ら市民を武力で抑え込んだ。犠牲者の数は、当てにならない中国政府公表の「319人」を遥かに上回る、1万人以上(イギリス政府外交文書)と推定されている。習近平政権は、天安門事件の武力鎮圧を正当化している。遺族は、政府が事件の犠牲者遺族に謝罪し、人民に懺悔することを求め、その一方で政府が残酷な事実の記憶を消そうとしていると批判している。

 この事件をきっかけに中国政府の中国人民に対する反民主化対策に拍車がかかった。1997年イギリスから中国へ香港が返還された後、中国は50年間1国2制度体制を保持すると約束したが、間もなくしてそれは中国の一方的な行動により破られた。2020年6月中国政府は、香港への統制を強める国家安全維持法を成立させ、中国政府が司法、行政、立法を直接支配することによって1国2制度は実質的に崩壊した。

 コロナ渦対策でも中国帝国主義政府の人民弾圧は止まらず、昨年11月厳しいコロナ政策に対する市民の怒りが沸騰し、その怒りは珍しくも抗議デモとなって、それは中国全土に拡大した。意外だったのは、デモには市民の本音である習近平総書記に対する日ごろのうっ憤が示され、習近平支配を辞めさせることをアピールしたことだった。反抗のシンボルとして、デモ集団は白紙を掲げた。白紙が意味することは、「白い紙は、我々が何かを言いたくても言えないことを表している」とデモ参加者は述べている。これほど大っぴらな反習政権を行動で示したのは珍しい。ところが、それもつかの間で抗議行動は平和的に行われたが、それでも警察当局はこれを放っておかなかった。警察は通りを封鎖し、デモ参加者を逮捕した。結果的にデモ行動は、治安当局によって鎮圧されてしまった。毎度のことながら中国帝国主義政府の常道である。

 今や中国には、習近平独裁政権に抵抗出来るものはなくなってしまったのである。民主主義的行為はすべて否定され、行動を起こせば直ちに逮捕され、その圧制はお隣の独裁国北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記に似て、国民に平和で安心できる生活を保障するより、自らの権力志向を優先させ、それを邪魔するものがあれば、断固として個人と言わず組織であろうとすべてを弾圧する構えである。国際的にも国際法を犯し、自国領土の拡大を目論んで、他国との間に紛争の種をばらまいている。まったく共産主義者の対極にいながら、共産主義者を名乗り、恥ずかしげもなく共産主義思想を傷つけている。いつになったら中国は今の悪逆非道の政治を止めるのだろうか。

2023年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com