5764.2023年6月2日(金) 藤井聡太新名人、最年少で7冠獲得

 昨夕のニュースで将棋の藤井聡太竜王が、名人戦で渡辺明名人を4勝1敗で破り名人位に就いた。と同時に、史上2人目の7冠を制覇したと伝えられ、藤井竜王のあまりの強さに日本国民が皆驚いている。何といっても藤井新名人は、まだ20歳10か月で名人史上最年少である。名人になって早速書いた揮毫が「温故知新」だった。その揮毫が納められた額が小学校校長室内に掲げてあり、担任教師がその意味を丁寧に教えてくれたことが強く印象に残っている。我が家から徒歩5分程度のところに住んでいる羽生善治九段が、かつての7冠から現在無冠の帝王となったが、勝負の世界とはそれほど厳しいものなのだろう。残る冠は、羽生7冠時代にはなかった「王座」で永瀬拓矢王座から今秋にもタイトルを奪取することが出来れば、まさに史上初の8冠となる。

 それにしても将棋界には、どうして8つもタイトルがあるのだろうか。これでは7冠になった藤井名人は、8つ目のタイトルを狙うより、7冠をひとつずつ防衛するだけでほとんど時間を取られてしまいそうだ。

 藤井人気で将棋界もホクホクだが、かつては棋士が対局中にソフトを使ったと非難が集中し低迷した時期がある。そこへ藤井聡太名人が中学生棋士としてデビュー29連勝をして3年前に棋聖の初タイトルを獲得するや、挑戦したタイトル戦ですべて勝ちタイトル獲得数は15期になり、人気は一気に火が点いた。

 しかし、それでもこれだけ国民の目を引き付けるほど活躍しても、獲得賞金になると他のビッグ・スポーツ選手や芸能人に比べて大分後塵を拝している。昨年の稼ぎ高ベスト3は、藤井聡太1億1,800万円、2位渡辺明7,450万円、3位豊島將之5,450万円で、羽生九段に至っては11位の1,600万円でサラリーマン役員ならこの程度は皆稼いでいる。それに比べると年棒約40億円の他に、スポンサー料を合わせた総収入が約85億円と言われている人気絶頂の大谷翔平選手は別格にしても、あまりにも格差が大きく少し気の毒な気がする。ともあれ将棋界が益々発展することを祈念するとともに、藤井新名人が、今後も研鑽を積まれ益々活躍されることを期待している。

 ついては、今ウクライナ戦争が国際的な注目を集めているが、2年前の2月に軍事クーデターで国軍により民主派政権がその座から追われたミヤンマーは、国際的に厳しい非難を浴び、経済制裁を課せられ社会的、経済的に苦境に陥っている。とりわけ友好的な関係を保ってきた日本としても欧米諸国同様に、苦渋の選択をせざるを得なくなった。その選択とは日本が途上国援助(ODA)で10年ほど前から支援してきたミヤンマー国内の基幹鉄道の改修事業を大幅に縮小せざるを得なくなったことである。それは最大都市ヤンゴンと中部都市マンダレーを結ぶ620㎞の鉄道改修工事の支援である。ヤンゴンと戦時中日本陸軍の航空基地があったトングー間約270㎞は、すでにその60%の工事を終えていた。ミヤンマーの交通機関、特に鉄道は全ての面で遅れており、航空隊戦友会の人たちが憧れていたトングーに行くことは、宿と足の手配が出来ず難しかった。トングーには軍に話を持ち掛けチャーター機で空軍基地へ臨時に離着陸させてもらって訪れたことや、バスで訪れ近くの女子師範学校の寄宿舎に泊めさせてもらったことがある。ミヤンマーでも最大の幹線と言える鉄道が整備されず、今また工事を停止するというのは、いかに国軍政権に責任があろうともミヤンマー国民にとっては厳しく辛いことである。

 綺麗ごとは言うが、結局戦争や軍事的圧力によって国民を苦しめているのは、為政者である大統領や、軍の総指揮官である。ミヤンマーも例外ではない。

2023年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com