5748.2023年5月17日(水) 明治神宮外苑地区の再開発計画

 大分前から話題になり、一部でかなり強い反対意見が出ている明治神宮外苑地区の再開発事業が初期計画を若干修正したうえで、走り出している。実態が知られるにつれ反対意見が強まってきた。批判の声は、「景観が破壊される」と「公園が商業ビルに変わる」の反発からである。再開発の対象面積は東京ドームの3個分だというからかなりのスペースである。これは、土地所有者の明治神宮と開発業者三井不動産が進めるプロジェクトで、この計画により地主の明治神宮は賃貸料が手に入る。東京都はエリアを風致地区に指定しているが、実質的には口は挟むが、制限までは出来ないらしい。

 周辺の緑が少なくなることが懸念されているが、開発業者に依れば、高さ3m以上の樹木1904本の内、743本を伐採し837本を植樹するので緑地面積は、25%から30%に増えると説明している。問題は、これまで周辺にはなかった構想建造物が建築され、緑の空間が高層ビルに視界を遮られることだろう。

 学生時代に早慶戦の都度神宮球場に出かけては母校を応援していた。JR信濃町駅から緑の中を潜り抜け辿り着く球場へのアプローチは、一服の清涼剤だった。また、ラグビー観戦のために秩父宮ラグビー場へ通った散歩道も懐かしいものである。2020年オリンピック開催のために改築された国立競技場が完成するまでは、都条例によって建物の高さは15m以内とされていたが、特例的に高さ制限を80mに緩めた。一旦規則を突破すれば、次の手は簡単に出来る。最終的に再開発が出来上がるのは、2036年であるが、すでにいくつかの制限は撤廃されている。再開発エリアには、その隅に190m、185m、80m、60mの高層ビルが建ち、球場とラグビー場は場所を移転する。ラグビー場は高さ46mの屋根付きになる。今まであったスポーツ施設を極力中央部に集め、空いた敷地周辺に高層ビルを建設して、地代を稼ごうとの思惑であることは明白である。

 そもそも明治天皇と昭憲皇后を祀った神宮が、今では明治神宮の逞しい商魂により当時の姿が変わろうとしている。我々ラグビーに関わってきた者としては、雨、風の中でもプレイすることを求められていたが、人工芝のフィールドに屋根付きのグランドで風に左右されない試合は出来るが、肌に風を感じないラグビーなんてラグビーとは言えない。噂によると屋根を付けて近所に騒音被害をもたらすライブ・ショーなどを開催し易くして、極力会場使用料により安定した財政運営をしたいとの腹づもりのようだ。工事期間中の東京六大学野球や、ラグビーは別のグランドで行われるようだが、「仏造って魂入れず」にならなければ好いと願っている。

 今日は今年最高の暑さだった。岐阜県揖斐川市で全国最高の35.1℃を記録し、東京都内の最高気温は、31.6℃だった。この暑さでは、熱中症の恐れもあるので、恒例のウォーキングは大相撲中継が終わってやや涼しくなった時間にトライした。

 暑い最中にこのところ株価の上昇が続いていたが、今日日経平均株価の終値は、前日比250円高の30,093円だった。5日連続で値上がりし1年8か月ぶりに3万円台に乗せた。NYダウをはじめヨーロッパ、上海の市況は軒並み値を下げている中で、日本の証券市場の独り勝ちである。いつまで続くことやら心配でもある。

2023年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com