5696.2023年3月26日(日) 書籍は売れず、値上げされる。

 昨日に続いて今日も朝から雨が降り続いている。この1週間ばかりは、全国的に天候は安定せず雨模様の日が多いようだ。満開だった桜もこの雨で間もなく散ってしまうだろう。雨の中を庭では「ミソサザイ」が可愛らしく鳴いていた。

 さて、近年書籍が売れないと言う声を随分聞いている。書店も閉店し、出版社自体の数も減少している。書籍の販売が減っているのと同様に新聞の発行部数も激減しているようだ。かつて読売新聞のような大新聞は、年間購読数1千万部と言われたことがあるが、その読売でさえ昨年は686万部にまで減り、朝日は430万部、毎日は193万部まで落ち込み危険水域にいる。これにはいくつか原因が考えられるが、電子書籍化とスマホの影響が大きい。とりわけ新聞より簡便にネットでニュースを知ることが出来ることである。しかし、これだと見出しだけ頭に入り解説記事などを読む機会を失い詳しい内容を知らないままになってしまう。そして文字離れともなり、書籍発行数の減少へつながる。

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」も書籍の他に、電子書籍として市場へ売り出され、それなりの成果を上げているが、今ひとつ相談を受けていることがある。まだ書類を受け取ったばかりでピンときていないが、大手出版社も本腰を入れている「note」というこれまでの出版業界のセオリーを打破するようなシステムだそうである。検討してみたいと思っている。

 それにしてもこの物価高の中で紙の本の製作費まで値上げが押し寄せて出版社のみならず、書店も苦戦しているようだ。出版不況に加えて、配送コストが高騰している。その結果書籍代が大幅に値上げされ、都心の大手書店では「文庫は1千円をこえるものが目立つし、重版の時に既刊本を値上げする出版社も増えている。1,500円を超える単行本も当たり前」と言っている。新刊本の平均価格は1,268円で、10年前に比べて151円も高くなっているという。これらの価格傾向から出版社が何社かと協定を結んで本文用紙を共通化する動きがあるという。

 基本的には、最近新聞や本を読む人が減ったことが根底にあると思う。情けないことに、私自身も近年読書量が落ちた。あれほど本を読んでいたのに、単行本を読むことが大分減ったことは間違いない。一般的には、本を読む習慣が減ってきたことが書籍販売数が減少した傾向としてある。小中校の教育の場で生徒たちにどれほど読書に興味を抱かせることが出来るかということが大切だと思う。その基本として文章を書くこと、本を読むことを現在の初等教育の現場で教えているだろうか。社会人になってから手紙を書かなくなった人が増えた。これは私自身会社勤めのころから実感として感じていた。普段手紙を書かないから、まともな文章も書けない。初等教育の基礎は、「読み」「書き」「ソロバン」と言われている。その内2つが疎かになっているのは事実である。根本的には学校教育の初期の段階できちんと「読み」「書き」「ソロバン」を学習しなければ、後になって本も新聞も読まず、それらが売れなくなると言う悪循環になるということであろう。

2023年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com