天皇には今日80歳になられた。傘寿のお祝いである。傘寿のお祝いに先立って記者会見では最も印象に残っているでき事として、先の戦争で若者が命を落としたことだと述べられた。太平洋戦争戦没者への鎮魂のお気持ちが強いのである。両陛下は終戦50周年を機に国内では沖縄、広島、長崎などに続いて2005年にサイパン島へ慰霊巡拝された。いま執筆中のノン・フィクションではその辺りにも触れた。実はその2年前読売新聞でパラオ、ミクロネシア、マーシャルの3カ国を慰霊巡拝されると報道された。それが翌年中止と発表され、その中止の原因のひとつに、ノン・フィクションの主人公・アイザワ大酋長の早とちりがあったのではないかとの憶測が飛んでいた。
天皇には、東日本大震災の被災者に対する同情のお気持ちも大分強いようで、被災地にも何度かお見舞いに足を運ばれている。80歳と言えば、普通の市井人ならもう第一線から引退している年齢である。にも拘らず、公務多忙で健康問題が心配される。流石に来年からは「敬老の日」の行事は、ご自分らも老人であるという立場上皇太子に、また「こどもの日」の行事には対象者とはあまりにも年齢が離れたということで、これも皇太子に譲られるようだ。
両陛下のお人柄が影響していると思うが、国民は敬愛の気持ちを抱いていると思う。これは日本人のみならず、外国人の間でも温かく受け止められているようだ。それが、つい先日のインド再訪にも見られた。いつまでもご健康で幸せな生活を送ってほしいと願っている。