5586.2022年12月6日(火) 熱狂的なサッカー熱の陰で、防衛費予算過大に

 昨夜行われたサッカーWC決勝トーナメント1回戦で日本は、前回準優勝の強敵クロアチアと対戦して先取点を得たが、惜しくも1―1で引き分けとなりPK戦の末敗れた。テレビ視聴率は、深夜にもかかわらず34.6%だったというから、サッカー人気には驚いている。残念ながら念願のベスト8進出はならなかったが、過去のWCに比べてもその盛り上がりは、サッカー・ファンのみならず日本中を巻き込んだと思う。前大会に続き、ベスト16へ4度目の進出であり、優勝候補だったドイツとスペインにも勝った。メディアの取り上げ方も異常なくらいで、勝った日のテレビ各社は朝から晩まで日本のゴール場面を繰り返し放映していた。

 もともとサッカーは今や世界で最も大衆的で人気のあるスポーツであるが、4年に1度開催されるWCに世界中がこれほど興奮し、盛り上がるとはその人気の原因は何だろうかと改めて考えている。他の野球、バスケット、ラグビー、アメフト、ゴルフなどのスポーツは、そのプレイ側の人間と参加しない一般庶民がともに一緒に夢中になる度合いは、とても及びもつかない。しばらく興奮の余韻は収まらないと思うが、今回の日本代表チームは実によく戦ったと思う。森保監督の適切な采配なども素晴らしかったと思う。次回への期待も益々高まることと思うが、間違いなく実力を付けた日本チームの今後の活躍が楽しみである。

 さて、そのサッカーの興奮の陰で、昨日岸田首相は、防衛力の抜本強化と言いながら、2023~27年度5年間の防衛費を総額約43兆円という馬鹿げたほどの巨額の支出を鈴木財務相と浜田防衛相に指示したという。従来の予算に比べて毎年1.5倍以上の増額である。どうも自民、公明両党が反撃能力のある長距離ミサイルの開発計画が盛り込まれていることに納得し大幅増額となったようだ。しかし、その前に首相をはじめ、政府は基本的にやるべきことがある。これはまだ計画であり、今後国会で議論すべき課題であり、国民にも納得のいくよう説明する責任と義務がある。防衛費は自衛隊にかかる費用であり、現在自衛隊の存在が憲法に抵触している点が問題として残っている。にも拘わらず、出費ばかりを急いでいる。しかも苦しい国家財政の中から増額する費用を捻出するのは、極めて厳しい。岸田首相は財源については具体的に述べていない。国家財政は国債発行額が年々増額するために国の借金で賄っているわけだ。歳出改革、剰余金や税外収入の活用、税制措置などと可能性のある財源には首相は触れていない。子ども手当が約束通りに実施されていないし、高齢者への支援も捗々しくない。国民への増税は避けられないだろう。そんな中で政府が一方的に防衛費だけに突出する法外な出資をするのは、国政を預かる立場から、あまりにも国民を軽視し、舐めているのではないか。

 苦しい財政下においてこれだけ巨額の無駄遣いに対して、大きな反対の声が上がってこないのが不思議であるし、こんなことで日本の将来は果たして大丈夫だろうかと心配である。若い人たちが立ち上がり、学生団体、労働者団体を中心に反対の狼煙を上げるようでなければ、いずれ日本は軍事大国になるだろう。

2022年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com