5528.2022年10月9日(日) ロシア、中国、北朝鮮の身内の論理

 危惧していた通り今年のノーベル平和賞を身内が受賞したことについて、早速ロシアとベラルーシがイチャモンをつけた。自国の個人、及び組織が平和賞を授かったことは、名誉であるにも関わらず、両国はこの授賞が平和を追求する影響となって世界に広がっていくことに戸惑っている証拠だろう。両国では、多くの政治家がノーベル委員会の決定に激しく反発している。ノーベル委員会が「それぞれ自国の市民社会を代表する存在」と位置づけ、「平和と民主主義の重要さを示している」との見解に、冷静さを通り越すような苛立ちを露わにしている。曰く「まるで軍事作戦だ」とか、「平和賞は政治的な道具と化した」、「西側のダブルスタンダードに追随し、自ら平和賞の価値を貶めている」など、ここまでこき下ろして自分たちの国民が栄えあるノーベル平和賞を授与されたことを誇りに思わない変質的な考えには、呆れるより仕方がない。

 ロシアの軍事侵攻に賛同するベラルーシは、独裁者同士が自らの権力基盤を固めるためにお互いに手を結んでいる。2020年ベラルーシ大統領選挙の不正疑惑や反政権デモの弾圧を巡って、欧米から激しい批判を浴びた際には、ともに欧米から経済制裁を受けながら、国内の反政権派に対する弾圧を強めた。悪の枢軸は、気に入らない身内への称賛を逆に弾圧に振り向けるような蛮行を繰り返し、国際社会の信頼を益々失っている。

 ウクライナ戦線は泥沼化しつつあり、ロシア軍が苦戦して奪われた領土をウクライナ軍が奪還しつつある。昨日クリミヤ半島とロシア本土をつなぐ自動車と鉄道用のクリミヤ橋が爆破された。推察するにウクライナが仕掛けたものだろう。

 ロシアの陰湿な意地悪さは、今に始まったことではないが、最近小ロシア的に外国に迷惑をかけるような悪事を頻繁にやらかしている北朝鮮が、今朝未明にまたもや弾道ミサイル2発を発射した。いずれも日本の排他的経済水域の外へ落下したが、先月25日以来僅か2週間で7回も発射している。今北朝鮮国民の1人当たり国民総生産は、韓国の1/50と言われるほど貧しいもので、当局は貧しい中で巨額を要するミサイル発射が国民に知られることを警戒して、最近では国民には知らせていないという。未明に発射したのも国民に隠したいからだろう。北朝鮮はいつのまにやら秘密国家となってしまった。

 もうひとつ世界の3悪人のひとり、習近平が権力を握る中国に対して、さほど大々的には伝えられないが、8月31日にミシェレ・バチェレ国連人権高等弁務官事務所長が、中国の新疆・ウィグル自治区の人権侵害に関する報告書を公表した。報告書には、中国が人種差別撤廃条約、拷問等禁止条約、女子差別撤廃条約、国際人権規約の社会権規約などに違反すると指摘し、①恣意的に自由を奪われたすべての人を解放する、②行方不明者の所在を明らかにする、③関連する法的枠組みを見直すことなどを中国に求めている。この国も経済大国であることを利用して、経済的に豊かであることを一帯一路政策で、利己的に活用しているが、中国内に居住する多くの少数民族への弾圧は一向に止まない。それでいて毎度きれいごとばかり主張している。

 最近の上記3か国について、ニュースを探るといくらでも首を傾げるような質の悪い事実が出て来る。まるで底なし沼である。これら3カ国との外交関係は難しい。

2022年10月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com