5527.2022年10月8日(土) 意外だったノーベル平和賞受賞者

 このところ連日今年のノーベル賞各部門賞が発表されている中で、昨日平和賞が発表された。受賞3者それぞれの国籍を知って些か驚いた。今年の平和賞は、異色と言えば異色である。というのは、今世界中を騒がせておよそ平和とはかけ離れたロシアのウクライナ侵攻の過程で、その当事国の人や団体3者が選出されたからである。戦火の中の小さな平和賞ともいうべきものである。ひとりは、ロシアの支持国、ベラルーシで「ヨーロッパ最後の独裁者」と言われる6期在任中のルカシェンコ大統領不正疑惑に対し、国内で抗議活動を拡大して逮捕され、その後も度々逮捕されながらも権利保護などで主導的な役割を果たし、今も獄中にいる人権活動家ビャリャツッキ氏である。獄中や軟禁下にいる人物への授賞は、過去にアウンサンスーチー氏や劉暁波氏がいる。

 ふたつ目の受賞は、何と戦争仕掛け国ロシアの人権団体「メモリアル」である。ソ連崩壊後、政治的抑圧や人権侵害に関する情報を収集し、政治犯の取り扱いにも注視してきた。チェチェン紛争ではロシア軍と親ロシア派による市民虐待と戦争犯罪の情報を収集し検証してきた。昨年12月にはロシア最高裁から解散を命じられたが、解散を拒んで活動を続けている。3つ目はウクライナの「市民自由センター」である。ロシアの侵攻が始まってからロシアの戦争犯罪の特定と記録に取り組み、罪を犯した当事者に責任を取らせる活動を行ってきたという。

 いずれも「戦争犯罪と人権侵害、権力乱用を記録するための卓越した努力」が授賞の大きな理由である。いかにも平和賞らしい台詞である。しかし、これらの選考と授賞が必ずしも誰にも評価されるわけではない。賛否両論がある。それは日本に住むウクライナ人でも同じである。「ロシア人も含めて誰にでも人権がある。国に関係なく、平和を祈る人権団体が受賞することはよいことだ」という声がある一方で、「平和な時ならばわかるが、戦争が続いているなかでロシアの団体が選ばれるのは疑問だ」との声もある。

 このウクライナ、ロシア、ベラルーシ3者へのノーベル賞授賞について、アメリカのバイデン大統領は、「戦争の暗黒の日々においても、脅迫や抑圧に直面しても、権利と尊厳を求める人類共通の願いが消えないということを思い起こさせる。彼らの業績は評価されるに値する」と称賛した。一方、ロシアの「メモリアル」は、ロシア最高裁から昨年12月解散命令を受けた後、建物を関連組織に寄付した行為を違法と判断された。いずれロシア政府から歓迎されざる辛辣な言葉発せられるだろう。

 いずれにせよ今年のノーベル平和賞が、戦争への問題意識を高めたことは間違いないように思う。これをきっかけに紛争へ至る小さな種でも、見逃さず取り除く努力を日頃から実行することが大事なことだ。

 さて、1か月ぶりに糖尿病クリニックで受診した。基準数値のHbA1cが5.9と、先月の6.0よりまた下がり、ほぼ安定していると医師に言われた。血圧は毎日ほぼ120前後にあり、気にしている脈拍のアップダウンが激しいと尋ねたところ、この範囲なら問題ないとのお話しだった。医師からも随分元気ですねと言われた。目も白内障の手術後は、視界がはっきり開けたこともあり、極めて順調である。後は、変形性関節症による両手指の痛みであるが、こればかり残念ながら高齢者特有のもので完治の可能性は少ないと言われている。止むを得ないので、毎日のリハビリで悪化を防止するために毎日両手指をこねくり回している状態である。健康面は現状では、全般的にまずまずと言ってもよいと思っている。

 今月から高齢者医療費が倍額に値上げされたが、今日がその1回目である。支払い額は確かに2倍だったが、これから毎回こうなるのだ。政府のお年寄り苛めの始まりである。

2022年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com