3255.2016年4月11日(月) インタビューに見られる日本語の間違い

 今月4日(月)から昨10日まで水泳の今年度日本選手権、兼リオ・オリンピック派遣選考会が行われ男女合わせて34選手の派遣が決定した。今年は話題も中々豊富で女子選手には若い選手の台頭が目立ち、中学3年生を始めとして、高校1年生が2人も選出された。その一方で、日本水泳界の顔だった33歳の北島康介選手が現役引退を表明した。「老兵は消え去るのみ」と名言を吐いた軍人がいたが、北島選手の場合は4度オリンピックに出場し、4つの金メダルを獲得したうえに「チョー気持ちいい」などレース後のユニークな発言が人気を呼んだ。その北島選手が昨夕テレビに出演して、彼らしい言葉を語っていたが、きちんと「ありがとうございます」と述べていたのが、いかにも北島選手らしく爽やかだった。

 では、他の選手はインタビューで何と言ったか? 最後の締めくくりに全選手が「ありがとうございました」と語っていたのだ。完全に日本語を間違えている。いつか、アテネ・オリンピックの後にも選手の「ありがとうございました」が気になり、使い方が間違っているとNHK実況アナの発言を巡ってNHKと渡り合い降参させたが、「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の用法をしっかり教えるべきである。その点で北島選手の発言は偶然だったのかも知れないが、北島選手が「ありがとうございます」と正しい言葉を使っていたのが印象的だった。それに対して、若手選手が全員申し合わせたように間違った「ありがとうございました」と締めくくったのが、妙に違和感があり釈然としなかった。結局本人も周囲もそれが間違っているとは知らないで、使っているのだとしたら、いよいよ日本語も崩壊の道を辿っていると言えるのではないだろうか。

 最後に一言コメントするなら、これは「ありがとう」だけでも充分なのである。だが、これではいかにもぶっきら棒であり、語尾に丁寧語の「ございます」を付けることによってより丁寧、より上品な言葉になる。決して動詞「ある」「ござる」が過去形に変化したわけではないことはしっかりインプットしておくべきだ。

 ところで今夕のNHK「ニュースウォッチ9」の河野憲治キャスターが、広島市内で開かれた主要7ヶ国(G7)外相会合を取材の場で、「ありがとうございました」と言っていた。12年前にNHKアナウンス部は、「ありがとうございます」と言うように教育すると言っていたが、教育の失敗か、或いは空手形だったのだろうか。NHKらしいなぁ。

2016年4月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com