5373.2022年1月27日(木) 不祥事の日大に補助金交付せず

 昨年話題になった日本大学の付属板橋病院建設工事の背任事件に絡んで田中英寿・前理事長や元理事らが逮捕、起訴された一連の事件に対して、文部科学省は来年度の日大への私学助成金交付を停止する意向を示していた。昨日文科省から補助金の配分業務を担っている日本私立学校振興・共催事業団が、今年度分については全額不交付と決定した。学園経営者にとっては厳しい処置である。況してや日大は、学生・生徒数において全国で最多数である。私立学園の経営は、学生・生徒らが収める学費が主であるが、その他に外部からの寄付金、そして、国からの私立助成金の占める割合が大きい。因みに昨年日大は90億円の国庫補助金を受給していた。これが支給されないとなると経営的にも当然苦しくなる。大学は、これによって授業料の値上げを学生らに求めることはないと言っているが、内情は火の車ではないだろうか。因みに昨年助成金が一番多かったのは、早稲田で92億円だった。2位日大、3位が慶應の82億円だった。

 日大がひとりの独裁的権力者だった田中前理事長が、理事会を取り込んで一部には公私混同のやりたい放題の運営だったらしい。来年度以降日大への補助金はどうなるのか、いつまでもゼロということにはならないだろうと考えていたところ、来年度は不交付、そして問題点が解決されるなら、2年後から75%減額、以降は25%刻みで厳格幅が小さくなる。本来受け取れる額に戻るのは、早くて2026年度というから日大にとっては厳しい処分である。あれもこれも田中前理事長のワンマン体制が、もたらした結果であり、日大にとっても田中個人にとっても厳しいお仕置きである。2018年にアメフト部の違法タックル問題発生の際にも、日大に対して世論は厳しかったが、当事者の日大理事会は他人事の如くコメント発信や反省することもなく、その事件で解雇された理事が、今回の事件でも復権してその中心となって重犯を冒した懲りない性分への厳しい鞭となった。身から出たサビというべきであろう。

 ここは謙虚に反省して、今後同じ轍を踏まないよう襟を正すことが大切である。日本一のマンモス大学・日本大学には捲土重来を期してもらいたい。

 さて、新年元旦に関西を本拠とする毎日放送(MBS)のトークバラエティ番組に、政治家は「日本維新の会」代表の松井一郎・大阪市長、副代表の吉村洋文・大阪府知事、元代表の橋下徹・弁護士だけが出演し思い思いのトークを行ったことが、政治的中立性の視点から問題になっている。社内でもこの取り合わせには異論があったという。司会者はいたが、日本維新の3人だけで政治的発言を行うこと自体中立性に疑問がある。視聴率向上に拘って倫理面が甘くなったとの声も聞く。実際、国会で論争になったトピックスや、松井、橋下氏からは、吉村氏を総理にとの発言もあったという。テレビ局、日本維新の会のどちらがこの企画を提案したのか不明だが、こうした下地が案外日本維新の会が関西地区で人気を独り占めにしている原因であるかも知れない。MBS社長も社内調査を命じたというが、MBS社内にも企画の自由と報道の中立性が混乱しているのではないだろうか。もしそうなら公平なる報道を旨とすべきメディアとしては、失格ではないだろうか。

2022年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com