5303.2021年11月18日(木) 元勤務先旅行会社の現状と日大背任事件

 新型コロナウィルスの感染拡大により営業上大きな打撃を受けている、かつて勤めていた旅行会社社長を訪ねて現状を伺った。やはり現実は想像していた以上に厳しいようだ。今年度末に業態も変更せざるを得ないようで、改めて旅行業ライセンスをより現実的なものに変更するという。社員も相当数早期退職させるようだ。

 気になっていた私が現役のころ獲得した役所受託業務は、今まで通り問題ないと聞きホッとしている。それにしても会社の規模も小さくなり、社員のモチベーションも下がり、社内の活力が失われるのではないかと気がかりである。現役時代に思う存分活動した旅行会社が観光業の中でも一番影響を被っていると思うが、当面同じようにコロナの影響を受けた親会社・鉄道会社の傘の下で次の飛躍の機会を待つという社長の話だった。1日も早く上空に淀んでいる雲が流れ去っていくことを望んでいる。

 さて、まだ結論が出ないのかというのが素朴な疑問である。日大板橋病院の改築工事費用の支払いで、背任容疑などによりずっと捜索されながら一向に全容が解明されず、事態が進まないのが話題になっている日大スキャンダルである。流石に逮捕された理事らの告白により田中英寿理事長の収賄容疑は最早隠せなくなったようだ。今朝の朝日では社説と一面記事の中に、理事長の関与について触れている

 しかし、田中理事長は現金は一切受け取っていないと頑なに現金授受を否定している。ところが、元理事と医療法人前理事長は、田中理事長へ7千億円を手渡したと明言している。一体どっちの言うことが正しいのか。新たに挙がった証拠では、理事長は、過去3年間に1億円超の所得を税務申告していないことが分った。今年になって理事長宅を捜索した際、1億数千万円の現金が保管され、中には帯封に包まれた現金まであった。ここまでそれらしい証拠が出ているにも拘らず、理事長は今以て収賄容疑を否定している。ガバナンス欠如の日大理事会は、田中理事長への現金提供は「ないものと聞いている」と、「税務申告は適切に行っていると聞いている」とまるで他人事である。今や機能不全を露呈した日大理事会は田中理事長の言うことが本当に正しいと信じているのだろうか。日大は国庫から219億円もの多額の補助金、つまり税金を受け取っているのだ。その責任も果たしているとは言えない。今では全国の日大施設がすべてすっぽり霧に包まれている。

 今日の朝日社説では、「日大背任事件―理事長の説明を求める」とある。法人としての大学も田中理事長も、一度も会見を開いていないことに対して。これだけ重大な疑惑が指摘されるなか、説明責任の放棄と断じている。あまりにも理事長に忖度して実態を明示すべき大学が、世間に対して何らの説明もせずに時間だけが無駄に経過している。このままでは、事態は悪くなることこそあれ、好転することはない。

2021年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com