5298.2021年11月13日(土) 名門東芝が会社を3分割

 戦後経済成長の駆動車とも象徴とも見られていた大手名門企業の東芝が、3社に分割されるとの計画が発表され些か驚いている。今から150年前に創立され、現在約12万人の従業員を抱える大企業である。著名な財界人も多数輩出した。特に、石坂泰三、土光敏夫社長は、経団連会長としても積極的に活動し一世を風靡した。カラーテレビや冷蔵庫を最初に製造・販売した会社として派手にテレビ広告などで消費者に自社製品を印象づけていた。「物言う株主」との対立や、イギリスの投資ファンドによる買収騒ぎがあって、近年周囲は騒がしい環境にあった。

 確かに数年前に不正経理が発覚し、2018年には、投資したアメリカの原子力メーカー・ウェスチングハウス社の経営破綻によって約1.4兆円もの巨額損失を生んだ。これにより会社は一層厳しい経営を強いられた。新しい計画では、会社全体の事業を3つに分割する。発電設備や交通システムなどのインフラサービス会社、電子部品を担うデバイス会社、そしてそれ以外の現東芝が大手半導体企業の株式管理を行う。

 ラグビーをはじめ、スポーツ面にも力を注ぎ、その存在感は、日本の経済発展の中心であり、スポーツ面でも華々しい存在だった。ラグビーの日本代表チームの広瀬俊朗・元主将も東芝チームで活躍した。息子たちが中高でラグビー部活動をやっていた当時、東芝府中工場に何度となく応援に通ったことがある。

 かつての名門企業が、いばらの道を歩いて行く。落ちぶれていく実情を知るとつい同情を禁じ得ず、心なしか寂しさが感じられる。東芝社員はもとより、多くのOB社員や株主も失望していることだろう。企業の経営者は常に向上心を持ちつつ、脇目も振らず、自らの会社の発展のために全力を集中しないと足元を掬われることになる。厳しいだろうが、名門東芝の再起を期待したい。

 さて、昨日枝野幸男立憲民主党代表党代表を辞任した。先の総選挙で党の議席数を減らした責任を取ったと語った。近く次の代表が決まる。党内には、共産党と野党連合を組んだことに賛否両論があるという。今後の党の進むべき路線と目標をどのように定め、党を発展させるのか、新代表のお手並み拝見というところである。

 一方で総選挙後に無所属で当選した議員の自民党入りが相次いでいる。中にはかつて自民党を厳しく追及していた議員もいて、党内に不満が燻っているようだ。中でも自民党に所属し、外相、自由党党首でもあった元外相柿沢弘治氏の子息・柿沢未途氏と元民主党幹事長の細野豪志氏が、諸々地元の自民党支持者からそっぽを向かれている。今後の選挙で自民党本部が彼らの地元で、誰を推薦するのか不審と不安が漂っている

 とりわけ、細野議員は民主党幹事長時代に自民党批判を続け、安倍政権の退陣を迫ったこともあり、自民党内で好意的議員はごく限られている。それを自民党員になる前に二階俊博元幹事長が二階派議員として認めて支援していた。そういう複雑な派閥的な内輪話より問題なのは、自民党路線や政策に批判、反対していた人物が、ある日を境に突然それらに賛同する無節操とモラルの欠如である。細野氏には、強引に物事を進める傾向があったが、今回は静岡の地元で選挙民を裏切るような行為をしておきなが当選したそして、旧民主党に反旗を翻して与党自民党の軍門に降るような言動は、モラル的にもどうかと思う。時代がこういう議員を容認するようになってしまったのだろうか。

2021年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com