5269.2021年10月15日(金) 高市政調会長より矢野次官の方が真面(まとも)

 コロナ、コロナと新型コロナウィルス感染防止対策に追われて、つい私たちもコロナ退治ばかりに熱を入れているが、その一方でこれから冬に向てインフルエンザも流行って来る。医療体制も逼迫している中で、このインフルエンザにも気をつけなければいけない。先日かかりつけの医院に予約していたインフルエンザ予防ワクチンを今日打ってもらった。これでまた一安心である。

 さて、3日前に話題になった「文藝春秋」11月号掲載の矢野康治・財務事務次官の寄稿文について取り上げてみた。その記事を読んでみたくなり、昨日書店で「文藝春秋」を買い求めた。一言で言って矢野次官の言い分は、国家予算管理立場、国家予算の在り方から考えて至極当然のことであると思う。日本の財政は近年恒常的に赤字続きで、それを更にバラマキにより赤字を増やすことには納得がいかない点を責任ある当事者の立場から、当然の意見として具陳したものである。これに対して、防衛費を2倍にするなどと軽薄な発言をするようなバラマキやの高市早苗・自民党政調会長が、自らの筋違いに気づかず、目くじら立てて寄稿文を馬鹿げた話と一笑に付す対応の方が、長い目で見てよほど国を劣化させることになる。国会議員は選挙区住民の期待を背負っているだけに、国会議員としての立場を忘れ地元民のために、つい財布の中身を考えずに紐を緩めがちであるが、これではいくら財源があっても足りない。高市氏のような放漫財政家を自民党の中枢に置くことは、財政再建にとってマイナスではないだろうか。

 ただ、私がもっと気になったのは、テレビ朝日「大下容子ワイドスクランブル」で語っていたコメンテーター、末延吉正・元テレビ朝日政治部長の発言だった。末延氏、財務省と政府内閣府との間でまとめる内容を外のメディアに訴えたことは、如何かと述べたことである。それはそうかも知れないが、矢野次官はこのままでは泥縄式に経費が無駄に使われると心配し、いろいろ手を打ったと思う。だが、現状では、これ以上他に打つ手がなかったのではないだろうか。次官は不本意ながらもこのまま放っておくわけには行かず、最後の手段として、メディアを通してアピールしたのだと思う。末延氏もかつては、メディアの一員であったにも拘わらず、その気持ちが理解出来ていないようだ。私は矢野次官が取った手段は、万やむを得なかったと思う。

 物事の本質、それがぶれないよう監視するのは、決め事、特に国の財政面の決定では最も大切なことだと思う。本丸が傾かないよう、傾きかけたら他人の手を借りてでも元へ戻す努力を惜しんではならないと思う。その点政治家は欲に駆られて簡単に本丸を傾けることに手を貸す。高市氏のような政治家が権力を握ったら、日本は沈没するだけである。ここは、あなたの言うことこそ馬鹿げた話だと高市氏に言ってやりたい。それを支持するような発言をする末延氏のようなジャーナリストも国家沈没に手を貸すようなものだ。

2021年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com