5246.2021年9月22日(水) 世界的株価下落と悪化する仏の対米英豪観

 昨日ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が大きく値を下げたが、東京証券市場も日経平均株価が対先週660円も値下がりした。つい先日31年ぶりの株価高騰と大騒ぎされたが、それも徒花だった。その原因は中国の不動産大手・恒大集団の経営危機の不安から同社の株が買い叩かれ、それが世界市場へ広がって行ったようだ。

 中国第2の不動産会社・恒大集団はバブルを背景に銀行からの融資を受けてこれまで強気の投資を続け、有利子負債は10兆円近い。だが、住宅価格の高騰を抑止したい習近平指導部が、不動産会社の資産に対する負債比率を抑える規定を導入したことによって、同社でも借り入れが難しくなり資金繰りに窮する事態になった。中国では土地は基本的に国有のため、企業や個人は名義上所有出来ず、国から期限付きでその土地の使用権を買うことになる。従って恒大のマンションを購入しても土地は国のものであり、仮に恒大が破産しても所有者から土地を取り上げられるようなことはない。それでも疑問点は数多い。現状では恒大の債務不履行の可能性は不透明だが、世界経済への不安を大きく煽ったことは間違いない。

 一方で、中国を強大な競争相手国と見ているアメリカのバイデン大統領は、昨日国連総会で就任後初めて演説を行った。トランプ前大統領のアメリカ・ファーストや、パリ協定からの離脱、イスラエルの首都エルサレム承認など同盟国にも配慮することなく事を進める言動に比べて、バイデン氏はリベラルであり、同盟国重視を看板にしてきたが、このところ信頼感を失うような行動が目立っている。それはアフガニスタン撤退で大きく狂い始め、アメリカの威信も大きく低下した。国連のスピーチでもバイデン氏は20年間に亘るアフガンでの戦争を終結させたと強調したが、平和裏にアフガンを民主主義国家として成立させたわけではない。難しい問題を置き去りにして、過激なイスラム主義組織のタリバンに政権を明け渡して戦乱の地から逃げ出したと言った方が当たっているだろう。撤退後も無人機により誤爆をして罪もない多数のアフガン市民を殺害した無責任、非人道的後始末である。

 もうひとつ、先進国同士の同盟関係に不信感を増え付けるような出来事があった。それは、アメリカ、イギリス、オーストラリアによる新たな安全保障協力枠組み「AUKUS」で、フランスがオーストラリアと結んでいた潜水艦建造契約が破棄されたとして、フランス政府は米豪に対して憤慨し、説明を求めたことである。成約していた協約書は、実に7.2兆円の巨額というからフランスとしてはとても見過ごすわけには行くまい。国家間の契約をこれほど粗雑に、かつ不誠実に約束を不履行したことに対して、フランスはウソや偽善があったと憤り、両国駐在大使を直ちに本国へ召還した。こんなことは初めてである。近々マクロン大統領とバイデン大統領が電話で会談することになったが、落としどころはどうするのだろう。ことはそう簡単には収まらないだろう。トランプ前大統領に比較してよほどインテリジェンスが感じられるとみてバイデン氏には大きな期待を寄せていたが、現実を見誤りそうな様子では考え直さなければならないだろう。

 さて、昨日緊急入院した妻に薬や衣類を届けに出かけた。昨日別れてから採血をして抗生剤の点滴をしたようだ。今日も抗生剤点滴を行うようだが、まだ、手術をするかどうかは分からない。

2021年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com