5237.2021年9月13日(月) IR(統合型リゾート)の中止を望む。

 先月22日に行われた横浜市長選挙の結果、IR(統合型リゾート)計画実現を訴えていた林文子市長が、IR反対をアピールした山中武春・横浜市立大学教授に完敗したことによって、横浜市の誘致計画は白紙になった。山中氏は市長就任後に市政について考えを述べるようだが、その中でIRについて計画自体を取り止めるとはっきり述べている。

 実は、市長選の2日前に朝日、及び読売新聞朝刊の神奈川版にIRに関するカラー版の意見広告が掲載された。広告を依頼したのは、「横浜型IRの実現を目指す市民の会」というが、地元商店街が中心になっている。カジノ客を呼び寄せ、市に経済的繁栄をもたらしたいという気持ちからIRに賛同の広告掲載を考えたらしい。結果的には、徒花となってしまった。

 その広告の文言には、「IRはいけないものなのでしょうか?」、「IRは治安を悪化させません」、「IRはギャンブル依存症を増加させません」などと謳っているが、教育関係者や有識者から散々否定的な言葉が伝えられているように、すべて同意出来るものではない。IRという横文字で誤魔化しているが、はっきり言ってIR施設として建設されるのはカジノ用賭博場であり、そこで行われるのは賭博、つまりバクチである。いくら1兆5千億円の経済波及効果が期待出来て、横浜市に年間1千億円もの税収が期待出来るとしても、所詮そこで行われるのは賭博であり、知恵を絞り汗を流して真面目に働いて得られる成果とは異なり、幸運を当て込んで他を落とし込み、一か八かの利益を得る所業であり、陰湿でとても表の世界で堂々と行われる事業ではない。ヤクザの裏世界の話である。必ずヤクザ=暴力団とつながりが出来る。こういう組織が、治安を悪化させないわけがない。幸い今では暴力団の数も大分減少しているが、闇社会ですら減退しているこの時に、大都市で堂々バクチによって金儲けを考えるとは、とても真面な人間の考えることではない。

 歓楽街の一等地に煌びやかな立派な施設があっては子どもたちの教育上よろしくない。大手ゼネコンが協力者として名を上げていたが、後退しつつある。新型コロナウィルスの流行とともに全般的にトーンダウンして、横浜市以外にも候補地として名を上げていた和歌山市、長崎市でもオペレーターが下りているという。2025年に海上の「夢洲」会場で大阪万博を予定している大阪市では、IRとの相乗効果を狙っていたが、当初興味を抱いていたアメリカのMGMがコロナのせいもあり、興味を失いつつあるようで、MGMをつなぎとめるのに躍起のようだ。とにかく競輪、競馬、オートレースがあり、これ以上賭博行為はご免被りたい。

2021年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com