5178.2021年7月16日(金) オリンピック開催の課題と未来像

 東京オリンピック開会式まで残りあと1週間となった。これまでこれほど開会前に問題が露わになったオリンピックは、そうはないと思う。昨日も酒類販売に関して理不尽な発言をしたからとして自ら謝罪した麻生太郎・副総理が、日本は1940年開催の東京オリンピックが太平洋戦争で中止になったことを例に上げ、再びオリンピックが呪われていると不見識な発言をしたように、今回も当初の開催予定がすでに1年延期され、今年こそはスムーズにと頑張っていたのに、次々と難題が降りかかって来ている。愚かな副総理が悪ふざけで発言したように、案外東京オリンピックは呪われているのかも知れない。

 23日の開会式に先立ち、オリンピックでは21日から宮城スタジアムでサッカーが10試合行われるが、それぞれ上限観客1万人を入れる。これに対して郡和子・仙台市長や県・市医師会が無観客にする要望書を宮城県に提出しているが、村井嘉浩・宮城県知事は予定通り有観客で実行すると反対を押し切る構えだ。ところが、村井知事が有観客に拘るのは、このところ仙台周辺では有観客のスポーツ・イベントが目白押しだからという理由もある。10、11日のプロ野球、楽天対西武2連戦に2万5千人が観戦した。17日にはセ・パオールスター戦が収容人員の50%の1万5600人を上限に開催される。更に24,25日にはオリンピック・サッカー日本代表チームが最大50%の観客を入れて強化試合を行う。ややオリンピックとプロ・スポーツは異なった対応をしているが、これでコロナ対策に万全を期していると言えるだろうか。

 ここへ来て郡和子・仙台市長が有観客に反対を唱えたのは、来る8月1日に再選を目指す市長選挙のパフォーマンスではないかとの声がある。プロ野球は好いが、オリンピックでは駄目なのは、IOCや組織委員会への不信感が、その根底にあるからではないかと穿った見方もある。

 いずれにせよ、1週間後にはオリンピックは開催され、毎日テレビで観ることになるが、今大会は別にしていずれテレビでは見難くなる心配があるようだ。商業化が年々進み、アメリカNBC系列メディアがオリンピックの放映についてIOCと独占契約を締結したことにより、テレビ放映権料が大きく値上げされることになる。これにより協定を結んだ日本の民放テレビ・グループでは高額な放映権料を支払いきれないと危惧されている。サッカー・ワールドカップ然り、オリンピック然りで茶の間から、世界的なスポーツ・イベントがテレビ放映される機会が少しずつ消えていく可能性がある。これが商業主義化の行き着く果てだろうが、単純にCMなんて気にせず観られたテレビが懐かしい。今度の東京大会で競技をじっくり観て、テレビとスポーツ中継の未来像を考えてみたい。

 さて、今日関東でも漸く梅雨が明けた。その洗礼であろうか、東京都内の最高気温は33.2℃だった。最も驚いたのは、全国で最高気温を記録したのは、選りによってあの北海道常呂郡置戸町境野で35.3℃だったことである。いずれにせよ、これから炎暑に悩まされそうだ。

2021年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com