5044.2021年3月4日(木) オリンピックを外国人は観戦出来るか。

 新型コロナウィルスにより多くの計画が引っ掻き回されているが、昨日オリンピックについてリモートによる五者(橋本組織委員会会長、バッハIOC会長、パーソンズ・国際パラリンピック会長、小池都知事、丸川五輪担当相)会談が行われた。来る25日から国内聖火リレーが始まる。一向に下火にならない感染者を考え、外国から観客が来日しても感染対策が完全に実行出来るかどうかが懸念されている。今月末までに外国人の観客を受け入れるか否かを決定する。また各競技場への入場者は、定員の半数か、上限を決めることになり、それは4月中に判断することに合意したようだ。その後の最大の決断は、オリンピック自体を予定通り開催することが出来るかどうかである。現時点では政府は前向きであるが、海外、特にイギリスでは自国内でコロナが拡大しているせいもあり、すでに中止の報道があった。

 話はオリンピックに直接関係ないが、五者の内、先日就任したばかりの丸川珠代五輪担当大臣は、大臣就任前に選択的夫婦別姓の導入について反対していた。ところが、先の森喜朗氏の女性蔑視発言で女性の差別視に厳しい目が向けられるようになり、昨日国会内で現在の考えを聞かれると個人の考えを述べる場ではないと言い逃れ、福島瑞穂・社民党副党首が更に突っ込んで「なぜ夫婦別姓に反対するのか」と尋ねると今は大臣の任にあるから応えられないと理由にならない応え方で答弁を拒んだ。これは個人と公の場における考え方が異なるということであり、明らかにおかしい。こんな人に大事な職が務まるかと疑問に感じた。案の定、今夕の朝日紙「素粒子」に、「軽すぎる政官の言葉たち」の一例として丸川大臣の言動が、「『今は大臣』 だから個人の私とは『別人格』だと?丸川五輪相ののらりくらり」と皮肉を交えて取り上げられている。

 さて、昨日のニュースで一番悲しかったことはミヤンマーで死者が38人も出たことである。すでに何度か取り上げたようにミヤンマー人の温厚で優しい国民性から考えて、例えデモが起きてもアメリカ人や彼らと同じ狩猟民族とは異なり、農耕民族のミヤンマー人の間ではそれほど激しい争いになるとは考えていなかった。それが先月28日に一度に18人もの人たちが犠牲となってまもなく、昨日大量38人の犠牲者である。やはり軍隊が銃砲を持ち、上官が撃てと命令すればそれに逆らえなくなり発砲してしまうのだ。軍の治安部隊とデモの参加者の衝突が激化すれば、これからも犠牲者は数多く出るだろう。国連安全保障理事会は、明日緊急理事会を開き対応を協議するという。安保理で経済制裁決議を採択しても、ミヤンマー国軍は中国を頼ることになるだろう。欧米諸国としては一番避けたいところである。ミヤンマー軍をどういう手段で押さえつけ、民主政治を取り戻せるか、国連外交にとってもひとつの正念場である。

2021年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com