今日舛添要一東京都知事がソウルで韓国の朴槿恵大統領と会談した。日韓関係が冷却化して両国の首脳会談が行われなくなってからすでに久しい。安倍首相と朴大統領の会談なら両国の友好関係上大いに歓迎すべきであるが、首都首長との会談とは、韓国側にとってはちょっとスタンスを変えて様子見という感じである。韓国マスコミは大統領が日本に柔軟政策をとるのではないかと疑心暗鬼に陥った報道をしているようだ。舛添知事は安倍首相のメッセージを伝えたが、日本サイドにしても、相変わらず朴大統領が歴史認識問題と従軍慰安婦問題を頑なに譲らないと断言している以上、安倍首相との会談は、いくら都知事が媚びへつらってお願いしても見込みが立たないと思う。
まったく外交というのは難しいとつくづく思う。
難しいのは、外交ばかりではない。かねがね問題発言のあった作家でNHK経営委員の百他尚樹氏が、22日経営委員会で「ニュースウォッチ9」の大越キャスターの在日1世は強制連行されて苦労したとの主旨の発言に対して、異議を唱えた。個別番組への委員の干渉は放送法で禁じられている。またこの経営委員のパフォーマンスが物議を醸している。須藤春夫・法政大名誉教授によれば、「明白な放送法違反だ。経営委員は経営の基本方針に関わる事柄が仕事で、編集の独立性を尊重することが求められている。職責の自覚がなく、適性を疑う。任命した首相や同位した国会の責任も問われる」と厳しく批判している。
これは、須藤教授が言うように、百田氏に適性がないということだ。そんなことが自分の好みで任命した安倍首相には分からない。朝日の今日の朝刊で大きく取り上げられ、日経夕刊でも追随した記事が掲載されている。どうして公平であるべき公共放送のNHKが、辞めさせることができないのか不思議である。
国内では他にもおかしな事件が起きているが、国家の名誉とか、公平さを損なうようなことは為政者がしっかり管理すれば防げることである。日本社会が確実に劣化しているということだろうか。