4989.2021年1月8日(金) 韓国慰安婦裁判の理不尽

 15日にNPO法人の臨時理事会が開催される予定だったが、今朝事務局より緊急事態宣言が発出されたことから急遽書面による開催という形を取ることになり、15日出かける必要がなくなった。ここにも新型コロナウィルスが大きく影響している。

 さて、また日本にとって厄介な問題が降りかかってきた。韓国で12人の元慰安婦が精神的苦痛を受けたとして日本政府に損害賠償を求めていた裁判で、ソウル地方裁判所は原告側の訴えを認め日本政府に対して計1億1400万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 日本政府は、主権国家は他国の裁判権に服さないとされる国際法上「主権免除」の原則から訴えは却下されるべきだとして、これまで裁判には出席しなかった。裁判所の判断がややご都合主義で公平さを欠く印象である。つまり、裁判所は「主権免除」の原則は、「計画的、かつ組織的に行われた反人道的な犯罪行為であり、ここでは適用されない」と考えたようだ。

 日本政府としてはもちろん納得出来るわけがない。戦後ギクシャクしていた日韓間で、1965年漸く国交正常化が成立した。その際日韓基本条約が締結され、その中核となった日韓請求権協定が締結され、日本は韓国に対して無償3億㌦、有償2億㌦の経済協力を約束した。

 そして、2015年には、慰安婦問題の解決に日韓が合意した。日本政府が謝罪し、被害者を支援する基金に韓国が求めていた資金10億円を拠出した。韓国は日本が約束を果たすことを条件にこの問題が「最終的、かつ不可逆的に解決した」と確認した。日韓両国は国際社会の場で、この問題を巡って今後双方を非難することを控える。こういう経緯と結果だった。これは個人ではなく国家同士の約束であり、両国外相が署名して発効した。しかし、10億円の資金を基に設立された財団も資金を別の用途に使ったり、財団自体も解散状態と聞いている。10億円はいずこかへ消えてしまったようだ。また、約束したソウル市内の日本大使館前に建てられた慰安婦像を撤去するという約束も果たされていない。

 約束が韓国側によって一方的に踏みにじられたのである。この他にも戦時中の徴用工問題でも、日韓基本条約で約束したことが破られている。これでは、残念ながら国家同士の約束や協定が将来に亘って守られる保証がない。

 こればかりは、日本も退くに退けない。これでは今後韓国との協定を結ぶことが出来ない。両国の友好関係にとって大きなマイナスである。それにしても、どうして韓国の人たちは一度取り決めた約束を自分たちの都合で一方的に破棄するのだろうか。これでは対日本ばかりでなく、他の国々との外交交渉も行き詰まってしまうのではないだろうか。頭を切り替えた方が、プラスに作用するのではないかと思う。菅首相は、国家が他国の裁判に服することはないとする国際法上の主権免除の原則に言及し、日本政府が韓国の裁判に従うことはないと強調した。

 民間の交流はスムーズに行われているようだが、国家がらみの問題になるとどうも日韓両国間はギスギスする。隣国同士でありながら、いつになったら本当の隣人になれるのだろうか。

2021年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com