4913.2020年10月24日(土) アメリカ大統領選2度目のテレビ討論会

 昨日アメリカ大統領選候補者による2度目のテレビ討論会が行われた。第1回の討論会は政策論争どころではなく、共和党のトランプ大統領と民主党バイデン前副大統領両候補者の相手への罵り合いとなって見苦しく、論戦も噛み合わず史上最悪の討論会と言われた。それを反省して今回は、各テーマの冒頭でひとりの候補者が話す2分間は、他の候補者のマイクのスィッチを切って割込みをシャットアウトする異例の措置を決めた。アメリカと言えば、世界の舞台で最高のディベートとなるべき討論会が、まるで子どもの学芸会のようになってしまった。今回は、相手の話している間に割り込んで邪魔することがなくなったことにより、視聴者には聞きやすく、分かり易かったようで想像以上に好評だった。

 最初のテーマであるコロナ感染拡大が再び加速していることに関しては、トランプ大統領が中国より襲来したウィルスで感染が拡大したと言って、まもなく終わるだろうと楽観的な見通しを語った。一方、バイデン氏はトランプ氏がその影響力を軽視したために22万人もの死者が生まれたことを指摘し、トランプ大統領が未だに包括的なプランを持っていないと批判し、初期対応の遅れも非難した。

 また、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」については、トランプ氏の科学的根拠がない二酸化炭素ガス(CO2)削減取り決めのせいでビジネスを破壊するとの言い分に対して、バイデン氏は地球温暖化は人類の存続にとって脅威となるとしてパリ協定復帰を主張した。

 4年前は、投票日直前までクリントン候補有利との下馬評だったにも拘わらず、それが覆ったことにより、今年もバイデン氏が有利であるが、予断は許せないとの声がある。その点で昨日の討論会でトランプ大統領が決定的に不利な情勢を逆転させるほどの効果はなかったとの講評である。CNNは54対39でバイデン氏に軍配が上がったとコメントしていた。今日の朝日「天声人語」は、即断は禁物だが、バイデン氏が王手をかけた印象と書いている。残りあと10日である。どうなることやら日本にとってもアメリカ大統領は大きな影響があるだけに気になるところである。

 さて、ジョナサン・スウィフトの「ガリバー旅行記」には、微笑ましく愉快な話が随所に溢れている。朝日夕刊に毎週金曜連載中の「ガリバー旅行記・第1部リリパット渡航記」が昨日19回で終了した。著者のスウィフトについては、1992年にアイルランドのダン・レアラで学校訪問した時に教育関係者からもその名を再三聞かされた。アイルランドが誇るべき偉大な作家なのである。

 新聞は大きな挿絵と解説付きであるが、毎号全一面を使っていた。子どものころにダイジェストで読んであらすじは知ってはいたが、改めて18世紀当時のイギリスの時代背景や、イングランドとアイルランドの端からは分からない関係などが風刺的に描かれていて興味をそそられる内容だった。漂着した小人の国が「リリパット」という王国であることを初めて知ったことや、リリパットを出国して母国へ帰る途中で乗せてもらった船が、何と日本からやって来たイングランドの商船だったことなどである。今まで単にリリパットを小人の国と思っていただけだったが、小人の身長が15㎝だったことや、火災に遭った皇后の宮殿に小便をかけて消し止めたが皇后の怒りを買ったことなど、初めて具体的に知る珍しいエピソードがいっぱい溢れていた。次週から第2部に進むのだろう。楽しみにしている。

2020年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com