4863.2020年9月4日(金) アメリカ人の人種差別感と日本人の男女感

 今日も朝から暑い。東京都内は35.1℃という猛暑日となった。こう暑いとノルマのように決めている駒澤公園へのウォーキングを試みる気持ちも萎えてしまう。九州、沖縄地方へは台風10号が近年にないほど強烈な勢いで北上し、明後日九州へ上陸するとして気象庁がしきりに最大級の警戒を呼び掛けている。

 さて、日本人には今世界中を騒がせているアメリカ人の人種差別感というものが、中々臨場感でも実情でも分かり難い。確かに黒人らが白人に暴力を浴びているシーンは、すぐ止めなければいけないとことくらい悪いことだと分る。だが、それではどうしてそれがアメリカ人には止められないのかと考えるとよく分からない。悪いことは止めるべきだと誰も言い、止めようとするものだが、白人にとって黒人に暴力を振るうことが悪いことだと意識しない間に白人はいつのまにか忘れてしまうらしい。

 このところアメリカ国内で黒人への暴力事件が3件も大きな問題を引き起きている。フロリダ州で黒人が警察官の暴力によって殺害され、1週間前にはウィスコンシン州で黒人が子どもも乗っている車で背後から警察官に銃撃され、身体麻痺の状態となった。その男性は入院先で手錠をはめられていたことまで暴露された。そして、3月に遡ってニューヨーク州で黒人男性が警察官に頭部を痛みつけられ殺害された事件も明るみに出た。今全米中で人種差別反対の抗議デモが行われている。人種差別は許されないとキング牧師の努力もあってアメリカ国民が一時納得した筈だったが、意図的にか無意識にか忘れられてしまったらしい。。

 黒人や非白人を差別する白人アメリカ人の本音が、アメリカ国内に充満していて普段は表に現れず、何かのきっかけで表面化する。しかし、大統領自ら差別発言をするようでは、残念ながらアメリカからこのまま永久に人種差別はなくならないだろう。

 人種差別ほど悪質ではないが、男女差別にも同じようなことが言える。但し、黒人差別の激しいアメリカで男女差別は表面上あまり見られない。それでも独立以来ほぼ250年が経過するのに、未だに女性大統領が輩出しないのには、それなりにアメリカ人の特異な事情があるのだろう。国会議員の女性比率から見ても今年1月時点でアメリカは23.4%で193カ国中82位である。意外に低い。アメリカという国は、民主主義の模範国と自画自賛している割に、中国にすら後塵を拝しているのだ。ただ、それでも日本より大分良い。日本のそれは、僅か10.2%でしかなく193カ国中144位で、G20 の国々の中で最下位である。

 どんな国に男女差がないのかというと、1位ルワンダ61.3%、2位キューバ53.2%、3位ボリビア53.1%、4位アラブ首長国連邦50.0%、5位メキシコ48.2%である。いわゆるアフリカ、中東、中南米などの途上国がベスト5を占め、その後をヨーロッパ諸国が追っている状態である。

 その体質の一例が、今度の自民党総裁選にも表れた。総裁選立候補に女性は誰ひとり立たなかった。意欲を見せた議員に、稲田朋美幹事長代行と野田聖子元総務相がいる。それでも男性優位の政界自浄事情により立候補出来なかった。稲田氏は早くから総裁選に出る気持ちが強かった。だが、政界入りの道を開いてくれた安倍首相に相談したところ、仲間作りが大事だと言われた。そしてその直後に所属する細田派が、早々に菅官房長官推薦を決定した。他方、野田氏には推薦人20名が集まらなかった。酒を酌み交わす仲間との会食が少ないということも一因らしい。つまり、意欲、政策、首相哲学、実行力などではなく、調子よく立ち回りお付き合いする日頃からのそつのない仲間、同志との関係がないと難しいということのようだ。男女の平等は日本の政治の世界では前途遼遠である。日本の政界に、今回各派閥が揃って菅氏支援を決めたように派閥が蔓延るわけだ。

2020年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com