4835.2020年8月7日(金) 核兵器禁止条約に背を向ける日本政府

 昨日広島の平和記念公園で行われた原爆死没者慰霊祭で、松井市長が核兵器禁止条約の批准を求めたことに対して安倍首相は一言も言及しなかった。その後の記者会見も10分間で4人の質問しか受けないと事前に断わり、その後に質問しようとした朝日記者に対してお傍役人の首相官邸報道室員が暴力的に制止したという。国会は一向に開かれず、正規の記者会見もせず、コロナウィルスのせいにして自宅内で外出を自粛しているのか、国民とはすっかり縁遠くなってしまった。もうやる気がないのか、もう黄昏時なのだろう。

 さて、2017年にノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のカナダ人サーロー節子さんが、今年被爆75年に当たり世界197カ国の首脳に核兵器禁止条約の批准と核兵器廃絶を求める書簡を送ったという。核保有国イギリスの核基地があるスコットランドの自治政府首相からは、イギリスの核兵器禁止条約批准を求めていると返事が届いたという。同じイギリス国内でも、イングランドとスコットランドでは核に対する考え方が異なるのだ。

 被爆者でもあるサーローさんが明かしてくれている話に、こんなことがあった。広島と長崎へ投下された原爆の開発にカナダが参加していたことに、トルドー首相は遺憾の意を示したようだが、原爆投下時のカナダのキング首相は、カナダのウラニウムが使われていたことについて、何と「原爆がヨーロッパ人でなく日本人に対して使われたのは幸運だった」と日記に書いていたそうである。今アメリカで人種差別が問題になっているが、一昔前までは白人の間では、黒人ばかりではなく白人以外の人種に対する人種差別が当たり前だったのである。人種差別は根が深い。それにしても日本は、なぜあれほどひどい惨禍を被っていながら核禁止へ足を踏み出せないのだろうか。

 さて、最近親しくしている中学校1年生時のクラスメート近藤總さんのものすごく有能な一面を知った。彼とは偶々同じクラスだったが、同じクラス内に「近藤」姓が4人もいたことが再会のヒントになった。5~6年前に日本旅行作家協会会員となった時、パーティで「近藤總」という名札を見て、年齢的にも同じぐらいと思い、ひょっとするとあの4人組のひとりではないかと声をかけてみた。そうしたら間違いなかった。以来親しくお付き合いさせてもらっている。とりわけワインに詳しく、関連の書籍を何冊か上梓されているが、本職はデザイナーである。今日「プレイボーイ」誌の表紙コピーをいくつか送ってくれたが、それがすべて彼の作品だとは思いも寄らずびっくりした。エール・フランスの広報も扱っているようで、その活動ぶりには脱帽である。これからコロナが終息したら、更に交流を深めてお互いに切磋琢磨したいものである。

2020年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com