4833.2020年8月5日(水) アメリカ軍需物資の購入押しつけ

 3日付朝日朝刊の「冷戦下で中国が核攻撃したら・・・日本で1800万人即死相当」にはびっくりした。これは1960年代の米ソ対立時代に中国と国交正常化していなかったアメリカが、日本に対して中国の核攻撃を防ぐためにアメリカ製核兵器で備えるよう文書で促したもので、今年になって情報公開された内容である。

 当時アメリカは自国の武器兵器を売らんがために、しきりに日本側に危機感を訴えていた。それにしてもいくら自国の防衛機器を売りたいためとは言え、アメリカの原爆投下により核に敏感な日本人の神経を逆なでするかのように、いちいちミサイル防衛機器によってこれだけ被害が減殺されるというような細かい情報を、日本側に伝えてまでもアメリカ製防衛機器を売り込もうとした腹の内がまったく分からない。

 「『兵器購入で犠牲半減』アメリカ試算」とか、「兵器『爆買い』日本に期待か」などとアメリカの本音を読むと、「死の武器商人」と呼ばれるアメリカの本音が見えて来る。実際、①通常の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)を導入した場合は、10年間に21.8億㌦を投資して助かる人が3百万人、犠牲者は1500万人となる。ところが、②高性能のABMを導入すれば、37.7億㌦で助かる人は6百万人、犠牲者は1200万人となり、それに新型戦闘機と早期警戒機を追加すれば助かる人は9百万人となり、犠牲者数も同じ9百万人にまで減少するという、アメリカ製装備を配備すれば被害が減じるとの都合の好い話である。

 これほど露骨に日本人犠牲者をダシにして兵器を売り込もうとするアメリカという国には、他人の気持ちを慮る良心というものがないのだろうか。もっと困ったことは、愚かな日本の政治家がアメリカの口車に乗ってアメリカの言い分を聞き入れて、自衛隊の装備品、施設をすべてアメリカから爆買いさせられていることである。

 先般秋田県と山口県に配備する予定だった陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を防衛省は、その配備計画を撤回し、新たな計画を検討しているが、いずれにせよ防衛装備品のアメリカ以外からの購入は考えられず、外貨はアメリカへ注ぎ込まれ、それでいて日本の防衛計画は、アメリカによって計画されるという大和魂を抜き取られたような植民地国家に成り下がっているのが現状である。

 さて、今日レバノンの首都ベイルート市内で大きな爆発があったとの衝撃的なニュースが入って来た。白昼突然爆発事故が起こり、百名が死亡し、4千人以上が負傷したという。偶々今秋上梓する自著の中に、半世紀以上前に出会った市内の高校生との交流を取り上げている。私が泊まったホテルは、この爆発地点からやや離れているようだが、テレビ画像で観る限り爆発の勢いはすさまじい。あの高校生カィールくんは今や70歳になっている筈だが、現在どうしているだろうか。

2020年8月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com