4817.2020年7月20日(月) 大判振る舞いで心配な国の懐具合

 新型コロナウィルス関連の政府給付金などに最近の政府は財布の紐が緩みっぱなしで、このままでは今後の追加支出がどのくらい必要になるのか分からず、金庫の中身が心配である。一番気になっているのは、日本が長年に亘って借金大国に陥っているにも拘わらず、政府はもとより国会議員に財政についてまるで危機感が見られないことである。コロナ危機対応予算は、2度に亘って補正予算を組み57兆円以上が充てられた。これは最近の年間予算約100兆円から考えれば、今年度は一般予算と補正予算を合わせて通常年間予算の1.6倍である。しかも第2次追加予算では、驚いたことに約10兆円という巨額の予算を差し当たり支出予定のない予備費として計上したことである。この辺りの政治家の甘い金銭感覚というか、ノー財政再建感覚には呆れるばかりである。不足の財源はすべて国債発行に頼っている。これまでアベノミクスと言われて経済の好調に調子に乗っていた安倍首相には、すでに国の借金は1千兆円に近付いているにも拘わらず、まったく財政改革の気持ちもビジョンもない。

 気になるのは、日本が少子高齢化で将来的に若者世代に大きな負担がかかるということである。1950年には65歳以上の高齢者1人を64歳以下の壮少年層12人が支えてきた。それが今や1人の高齢者を僅か2人の壮少年層で支えなければならなくなった。国債が戦後初めて発行されたのは、1964年東京オリンピック開催の翌年である。それまでは国家財政は何とか収入と支出のバランスが取れていた。90年代に入って以降思うように税収が伸びず、反面支出が増えて赤字財政が続くようになった。89年に消費税3%が導入されて一息ついたが、その後は税収が伸びず、消費税を段階的に5%、8%、そして昨年10%に引き上げた。この間08年にはリーマン・ショックに遇い、11年は東日本大震災に襲われた。いずれも財政出動をしながら経済立て直しを図ったが、国家の歳入と歳出の乖離は広がるばかりである。歳入が伸びないのに歳出を増やすことに政治家は一向に頓着していないように思えて仕方がない。国会議員に警鐘を鳴らす意味でも彼らの手当を減らすことを考えてみてはどうだろうか。国会議員というのは、国の発展と維持、及び国民に安心して生活できる施策を考え、実行し、将来の国造りを確立することが責務である。今後安倍首相以下閣僚、国会議員の財政に関する関心度に国民は注視すべきであると思う。

 戦後の49年出生者数は、過去最大の270万人だった。73年には210万人にまで減少した。それがその後も減り続けてじり貧となり昨年は90万人割れとなってしまった。この実数を知ればまともな人なら、わが国の将来に悲観的になる。ところが、政治家はまったくそんなことは考えてもいない。このまま財政支出が増え続けていったらどうなるのか? コロナ対策で安易にアベノマスクを配ったり、全国民に定額給付金10万円を配布したり、トラブル含みの「GO TOトラベル」をやってみたり、ここは立ち止まってもう少し考えてもらいたい。政治家にはお金の価値と逼迫している国家財政をもっと心配してもらいたいものである。

2020年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com