4815.2020年7月18日(土) 延期されたオリンピックは、来年開催できるか?

 新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、間もなく開催される予定だった2020東京オリンピックは1年間延期されることになった。大会組織委員会は昨日来年のオリンピックを予定通り開催し、基本的に延期前の日程を曜日に合わせて調整して当初の予定通り33競技339種目で行うと発表した。IOCと組織委員会は大会の簡素化に向けて協議中であるが、それにしても追加経費がバカにならない。それより何より一番気がかりなことは、その前にコロナが終息して無事開催することが出来るかどうかである。現状はまだ先のこととして開催を期待する反面、コロナの感染拡大への不安も根強い。

 IOCと組織委員会が一番懸念しているのは、簡素化を目指しても、商業化が進み開催経費をテレビ中継やスポンサーに頼っている現状では、そう簡単に簡略化出来ないということである。開会式や閉会式は特にそうである。もうひとつ気になるのは、コロナ対策で大会が始まれば、200を超える国々から1万人以上の選手に加えて観客が押し寄せて来る。彼らに対するPCR検査体制の充実が求められる。今までにない難しいオリンピック開催になりそうだ。仮に2021年にオリンピックが開催されないとなると、翌2021年開催予定の冬季オリンピック北京大会の開催も危ぶまれる。どこまでも人間社会を痛みつける新型コロナウィルスを根絶するワクチンが早く開発されないか、願うようなもどかしい思いで待っている。

 ところで観光立国のタイでは外国人観光客が大きく減少してタイ経済へ影響を与えつつある。タイの国内総生産(GDP)の18%が観光による収入である。特にインバウンド客は毎年増え続け、昨年は人口の半分以上の約4千万人弱がタイを訪れた。日本へのインバウンド客は昨年3千2百万人だったので、それより多い顧客を一度に失うということは、大げさに言えばタイの財政的基盤を損ないかねない。タイのコロナ感染者はまだ3千余人で、これまでの死者は58人にしか過ぎない。ベトナム、台湾に次いで少ない。昨日の感染者は僅か3人で、東京のほんの1%である。それでもタイ政府は外国人観光客の受け入れについて、はっきりした門戸開放の積極的方針を示していない。慎重すぎるほど慎重なのである。

 その点を考えると日本では今日も東京都内の感染者は290人、首都圏の神奈川49人、埼玉49人、千葉32人であり、大阪は85人にもなり大都市で目立って増え、日本全国では659人だった。どうもコロナ第2波がやってきたような気がする。こんな時期に、東京だけを除外した「GO TOキャンペーン」なんて、些か無神経ではないだろうか。

2020年7月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com