4794.2020年6月27日(土) 新型コロナウィルスに山中伸弥教授の提言

 2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞された京都大学iPS細胞研究所長・山中伸弥教授が、最近頻繁にテレビに顔を見せて新型コロナウィルスに関して積極的に提言している。山中教授は医学博士ではあるが、感染症専門家ではない。今朝テレビでコロナについて発信するに至ったその理由を説明しておられた。家族からも知人からも反対されたようだが、コロナ感染拡大の状態を座視しているわけには行かないと進んで提言する気持ちになったようだ。このコロナ流行には必ず出口はあると仰り、いくつかの提言をされている。

 それは、①人と人との接触を減らすこと、②医療、流通、公共交通など社会を支えている人びとへの敬意と感謝、③感染した方への思いやり、④休業を余儀なくされる方々への支援、である。

 山中教授は、日本人が欧米人に比べて感染者も、死者も少ない理由として最も強調されたのは、各自治体にある保健所などが整備されており、小さいころよりワクチンなど予防注射を打つ制度、習慣が国民の間に根付いていることだと言っておられた。手洗いの習慣とか、マスクを着用することなども生活習慣の中で自然に身についている。山中教授のお話しを聞いて改めて日本人が清潔好きであることを再認識した。それが国民健康保険に全国民が加入している裏付けとなっている。キューバのような医学先進国では、保険加入云々ではなく、国が国民から健康保険料を徴収しなくても医療費は無料である。実際このコロナ騒ぎの中にあってもキューバの感染者は圧倒的に少なく、数的に余裕ある医師を中国に派遣して中国の医療を支援している。医学的にも医療面でもキューバは遥かにアメリカを凌いでいる。アメリカは健康保険制度が普及しておらず、貧困層や黒人層の間で感染者が多く、その数も世界一と言われるほど屈辱的なものである。医療関係は全般的に遅れているのだ。

 このコロナ騒ぎでトランプ大統領が自慢する世界一の偉大な国アメリカの問題点と弱さが随所に露呈された。本当の国家、或いは国造り、国力とは何だろうか。国民が安心して幸せに生活出来る国こそが、偉大な国と言えるのではないだろうか。いくら国民総生産が多くても、富が平均的に国民の間で分配され安心して住める福祉国家でなければ、国が所有する富はいくら多くても意味がない。

 今年の新型コロナウィルスは、今まで気づかなかったことが多い中で、いろいろの意味で多くの示唆を与えてくれたと思う。

2020年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com