4783.2020年6月16日(火) 迎撃ミサイル「イージス・アショア」配備計画停止

 昨夕河野太郎・防衛相が唐突に迎撃ミサイル「イージス・アショア」配備計画停止を公表した。アメリカの強引な要求に応えて買わされた高価な防衛機材であるが、防衛省は3年前に購入を決定した。その後、配備地である秋田県と山口県との話し合いでも安全面から地元の理解が得られていない。

 2017年の日米外相・防衛相会談で、日本側がアメリカに導入を伝達し、その後年内にトランプ大統領が安倍首相に購入圧力の発言があり、首相がこれに応じる形となって2025年度には導入の予定だった。しかし、その後部品の価格が上昇し施設としては高額になり、加えてミサイルを打ち上げた時に切り離す装置「ブースター」が、狙った場所に落ちない可能性があると分かった。「イージス・アショア」システム改修には、2千億円と10年というコストと期間がかかるとの見通しである。配備を予定した地域における反発などもあって、「導入ありき」だった「イージス・アショア」の配備計画は急転直下停止されることになった。ただ、防衛省が地元に安全を約束していながら、設備が不安のため計画を停止することについて、その説明が地元に行われないことに地元は怒っている。

 高価な防衛機材はこれまでもアメリカから買わされていたが、2016、17年の北朝鮮による核ミサイル実験に対する警戒、及び防衛上、急遽導入することになった経緯と購入理由は理解できるにしても、無駄遣いとも思える他の防衛機材の巨額の購入は国民としてそう簡単に納得出来るものではない。

 河野防衛相の思い切った武器購入停止措置に対して、安倍首相は了解したとされるが、政府内でも驚きで受け取った自民党議員が多くいる。党内では、防衛相経験者の石破茂氏、小野寺五典氏らがその決定に疑問を投げている。河野防衛相は行政改革相を務めた経験などから就任直後から、アメリカから購入する防衛装備品の見直しを考えていたようだ。現状もアメリカの言いなりになって高価な防衛品を買わされている。先般の第2次補正予算で計上された巨額の予備費10兆円に、アメリカ政府が目を付けなければ幸いである。

 ただ、俺が俺がで自意識過剰な河野防衛相は、過日の航空自衛隊機のブルーインパルスにより、新型コロナウィルスで治療に当たる医療関係者への感謝の気持ちを表したとの報道は賛同しているが、河野防衛相がそれに罹った経費が3百万円とつい喋ったことが医療関係者に知られて、医療関係者が心苦しいと述べた。こんなことは黙っていれば済むことであり、このことで防衛相は口が軽いことを図らずも知らしめることになった。

 防衛大臣に限らず、国費で物品を購入する以上、最初にその物品購入が国民にとってプラスになり、納得出来るものであるのかを、先ず以て考えて欲しいものである。

2020年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com