4755.2020年5月19日(火) 60年前の今晩、安保改定法案成立

 何もかにも悪い方向へ進んでいる新型コロナウィルスの感染拡大であるが、最も警戒されていた国内経済への影響が国内総生産(GDP)にはっきり表れてきた。2020年1~3月期のGDPは前期(19年10~12月期)よりわずかな落ち込みだが、このペースが1年続くと仮定した年率換算では3.4%減だった。加えて、2四半期連続でマイナス成長であるから欧米では、一般的に「景気後退」と見なされる。これまでは四半期でマイナスになっても次期で取り返していた。それが今年は悲観的な観測がなされている。4月以降の景気が緊急事態宣言の影響を受けて経済界は大分落ち込んでいる。この調子だと景気後退は相当長続きしそうである。

 昨年消費税値上げにより一時的に景気は下落した。しかし、政府は落ち込みからすぐ抜け出し成長軌道に乗るとシナリオを描いていた。ところが、予想もしていなかったコロナショックで淡い夢は脆くも崩れた。しかも、今後も茨の道を歩いて行かなければならない。懸念されるのは、次の四半期(4~6月期)である。一部には、戦後最悪の落ち込みと予想されている。

 何といっても個人消費が増税後落ち込んだまま回復しない点が苦しいところである。そして外出の自粛により買い物やレジャー消費が一気に縮小した。苦しいのはサービス業界ばかりでなく、製造業にも広がっている。専門家の中には、経済が元の水準に戻るのは、4~6年先という厳しい見方をする人もいる。

 コロナのリスクを制御しながら、厳しい財政のもとで政府が苦境にある個人や企業を支え続け、経済を成長軌道に戻せるか。この先、経験したことのない試練に向き合うことになるようだ。

 さて、昨日の本ブログに書き込んだように、60年前の今晩から明日未明にかけて日米安全保障条約改定案が、衆議院で強行採決された。いわゆる「60年安保」である。安倍首相の祖父・岸信介首相率いる自民党が勝ち驕り、学生、労働者を中心とする安保反対派が敗北し、激しかった安保反対闘争が終焉を遂げた時である。紛糾していたが、孫の安倍首相が、昨日検察庁法改正案の採決を先送りした。幸いにも祖父に比べて孫は60年前のような強引な手段は取らなかった。しかし、この改正案は一旦引っ込めるのが常識的だが、秋まで引き伸ばし臨時国会で再び提案するという戦略のようだ。どうも孫はまだ国民が反対する理由と事態がよく分かっていないようだ。

2020年5月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com