4750.2020年5月14日(木) 緊急事態、解除と継続に色分け

 新型コロナウィルス感染拡大による影響が国民の日常生活はもちろん、経済界に大きく及んできた。3月決算期を迎えて上場企業の2020年度3月期決算は、航空や鉄道業界では「需要の蒸発」と言われる乗客減少に苦慮している。国内線は前年日6割弱、国際線7割弱減である。小売業界でも百貨店は店舗閉鎖の影響もあり、三越伊勢丹が赤字に転落した。建設業界が僅かな利益を出すが、他の業界はほぼ大幅な純利益の低落である。

 自動車販売数で世界最大になったトヨタ自動車では、今年3月期までの決算では営業利益は何と2兆4千億円だったが、2021年度1~3月期決算に絞れば、営業利益が対前年79.5%減の5千億円になるとの予想を発表した。

 ほとんどの産業で大きな打撃を受けているが、ゴールデンウィーク期間(4/24~5/6)に成田、羽田空港から出入国した人は、何と昨年に比べて99%も減ったことが分かった。これでは観光業界が打撃を受けるのは、明白である。これまで年々大幅に伸びて日本の財政に大きく貢献していた訪日外国人の数が、今年になって急減するのは明らかである。JR東日本は、今月28日から運行する各新幹線の臨時ダイヤを組むが、それは平常ダイヤの6割減だという。

 国民の健康面で今気遣われているのは、誰もが外出する際はマスクを身に着けるようになったが、この数日夏日の陽気で、所によっては真夏日である。その暑い中でマスクを着用すると熱中症にかかる恐れがあると専門家が警告している。コロナが怖いからマスクを着ける。だが、マスクを着けると感染症になる恐れがあるとすると外出が出来ないということになる。まったく窮屈な世の中になったものである。直近のコロナウィルス感染者数は世界全体で430万5千人に達し、死者は29万4千人となった。最も被害が大きいのは、アメリカで138万人が感染し、8万3千人が死亡している。

 1週間前に全国で緊急事態が今月末まで延長されることに決まったが、今日政府は安倍首相が改めて東京、神奈川、千葉、埼玉、北海道、大阪、京都、兵庫の8都府県の緊急事態宣言は引き続き継続し、他の39県は宣言を解除すると公表した。今後1週間後に再び解除するかどうかを判断する。8都府県では当分の間外出自粛、休業要請が続けられる。すでに相当数の中小企業が倒産の悲劇を味わっている。東京では当分休業要請が続けられるが、果たして現在苦しい立場に追い込まれている飲食店などはいつまで続くか分からない緊急事態宣言に耐えられるだろうか。

2020年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com