4693.2020年3月18日(水) アメリカ、1兆$を財政出動

 このところ新型コロナウィルスの影響が、経済面にも表れてきているが、以前はさほど深刻に受け止めていなかったアメリカが、国内に感染者や死者が出るようになってから急激に問題に取り組むようになったような印象を受けている。ほとんどの国から入国を制限するなど鎖国に近い状態である。

 市況にも大きな影響が表れ、ニューヨーク株式市場は連日のように史上初めてというほど激しい乱高下を繰り返しているが、経済への打撃を緩和するためトランプ政権と議会は、個人へ小切手を直接配る措置を含む大型の財政出動の検討に入った。もちろんこればかりでなく、納税期間の延長、中小企業向けのつなぎ融資、航空会社などに500億$規模の金融支援なども含まれる。市場に出回る現金を潤沢に保つことによって市場における購買力を保つことが狙いのようであるが、国民に現金を配布するとは初めて聞く驚きである。尤も日本でも桁が違うが、学校休校による厳しくなった各家庭へ補助金を供与することなどを中心に検討されているらしい。

 ところが、アメリカ政府の考えていることは、他の政策を含めて1兆$(約107兆円)と大きなスケールの金額であり、日本の2020年度一般会計予算(102.65兆円)をも上回る額である。これほどの臨時財政支出したら、今後よほど支出を抑制しないと健全財政基盤が崩壊してしまうのではないかと些か気になるところである。いずれにせよアメリカ政府は、現状の株価対策として思い切った手段に出たものである。

 さて、気になる東京オリンピック開催であるが、昨日国際オリンピック委員会(IOC)は、臨時理事会を開いて主要7カ国会議(G7)が予定通り7月24日開幕を支持したことを受けて、予定通り準備を進めるとの公式声明を出した。ただ、ギリシャにある聖火を日本に引き渡す儀式が中止され、日本から代表団が訪れるのを取りやめた。聖火は今日日本を発った臨時便が現地で受け取り日本へ運ばれる。すべての聖火儀式は中止となった。

 問題は、気持ちとしては予定通り実施したいということは理解出来るが、一向にコロナウィルスが世界的に沈静化する様子は見られない。終息の気配が感じられなければ、仮に日本国内に問題がなくても日本を訪れる各国の選手団や観戦者が、どれほど問題なくやってくることが出来るか分からない。開催まで残り5か月になった。そろそろ次の手を考えた方が、後になって悔いを残さないのではないかという気がする。

2020年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com