4628.2020年1月13日(月) 不平等な日米安保条約は、このままで良いのか。

 昨秋日本中を熱狂させたラグビーのワールドカップは大成功を収めたが、それをにわかブームに終わらせないための試練と発展のシーズン、社会人ラグビー・トップリーグが昨日開幕し、5月まで全国各地で行われる。オープニング・ゲームは全国6つのグランドで8試合が行われ、そのうち2試合がテレビ中継され、つい夢中になって観てしまった。全会場に9万2千人のファンが訪れ、昨年の開幕戦より3万2千人も多かった。一昨日新国立競技場の大学選手権決勝戦も5万7千人の観衆を集めて行われ、早稲田が45-35で明治を破り11シーズンぶり16度目の優勝を飾った。ブームはまだ続きそうで、1ラグビー・ファンとして大変嬉しく思っている。

 さて、今から60年前の1960年1月訪米した岸信介首相が、アイゼンハウアー大統領と会談し、日米安保条約改定案に調印した。安保条約改定案は、6月に自民党が衆議院で強行採決して通過し、「日米安保条約」は正式に発足した。全学連と一体となって我々は、それ以前から総評、及び国労などの労働者団体とともに猛烈に反対闘争をしていた。それが「60年安保闘争」である。我々学生は日米地位協定を主に日米不平等条約と強く反対したが、条約は強引に実施された。

 この不平等条約について最近トランプ大統領は、しきりにアメリカにとって不利な条約であると異なことを叫びだした。最近のアラビア海の有志連合同盟についても、アメリカは自国の船舶の安全のためではなく、石油輸送の他の国の船舶の安全のために米軍を派遣するのは不公平であると身勝手に騒いでいる。それならさっさと引き上げれば好いではないか。

 日米安保条約がどれほどアメリカに有利で、日本は彼らの思いのままに運用されているかは協定書を見てみれば一目瞭然である。特に駐留米軍に関する日米地位協定は、他に米軍が駐留しているドイツ、イタリアに比べても遥かに不利である。

 それにも拘わらず、日本はトランプ大統領の言いなりになって毎年アメリカから高額な軍事兵器を買わされ続けている。年々膨らむ日本の防衛予算も2020年度は5兆3千億円となっているが、購入兵器の内2基だけで6千億円以上と想定されているイージス・アショア、そして他にも1機116億円もするF35ステルス戦闘機を105機も追加購入する浪費的爆買いである。F35は1機だけで特別養護老人ホーム900人分、或いは学校へのエアコン4千教室分に当たる。

 他にも安保条約には目に見えない不利益を被っている例がある。日米地位協定を始め、羽田空港の新ルートにより民間航空機が異常な急降下着陸を強いられるのは、米軍が管理する横田空域のせいである。日米安保条約による日本側の不利益は、数え上げればきりがない。こういう実態を日本政府は、放置したままアメリカに伝えようとせず、このまま国民には不問に付そうというのだろうか。これでは日本はアメリカ帝国主義国の属国どころか、植民地と呼ばれても文句は言えない。

2020年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com