4624.2020年1月9日(木) 身勝手なゴーン氏と中東戦争可能性の減少

 昨夜レバノンのベイルートでカルロス・ゴーン前日産自動車会長が、身勝手な記者会見を開いた。世界中から注目されていた会見だったが、自分の言いたいことだけを一方的に主張する極めて理不尽なものだった。

 自らの会社法(特別背任)の罪を棚に上げて、日本の司法制度を非人道的と批判して、自分は日本政府と日産にはめられたと一方的に日本を非難した。記者会見には、世界のメディア12か国の60社の記者を招いたが、不法出国した日本からは朝日新聞、テレビ東京、小学館の3社しか招待されなかった。自分に不利と思うメディアを排除していた。それでもフランスのル・モンドや、イギリスのザ・ガーディアン紙を始め、ヨーロッパのメディアからは保釈中の身でありながら密出国して自分の正当性をアピールするために開いた釈明会見だとして、あまり同情されていない。

 日本のメディアを始めとして事実関係を知る世界のメディアは、ゴーン氏に同情的ではない。日本から不法に出国していながら裁判の途中でその責務から逃げ出し、自由になった身で糾弾されていた日本の司法をいくら攻撃したところで、その正当性に対する評価は低い。

 朝日新聞の「視点」では次のように取り上げられていた。

「~日本の司法制度に全く問題がないわけではないが、検察の捜査や司法制度の問題点を指摘するなら、公開の法廷で堂々と主張すべきだった。裁判で無実を証明すると主張しながら保釈条件を破り、不正な手段で海外に逃亡した前会長の言葉を、額面通りに受け取るわけにはいかない。自身の主張に自信があるのならなおのこと、なぜ正面から裁判で闘わずして海外に逃げたのか。強く疑問が残る」

 自分の正当性だけを言い、裁判で被告人に至った経緯については、自らが再建させた会社からはめられたと言い、恨み節を語るばかりだった。

 残念ながら居住するレバノンは、いくらゴーン氏が政府から支援を受けようとも、現状では外にも出られない。加えてレバノンは反政府デモのせいで足元がぐらついて政府は国民から厳しい批判にさらされ、かつては中東のパリと呼ばれた優雅な雰囲気は今では感じられない。半世紀以上も前に首都ベイルートに滞在した当時海岸は華やかなムードが漂い欧米からの観光客で溢れていた。落ち目のゴーン氏が落ち目のレバノン政府に支えられてどこまでともに支援し合っていけるだろうか。

 ゴーン氏は一難切り抜けたと思っているかも知れないが、家から外にも出られず、こういう環境が最も苦手なゴーン氏がこれからどう生きていくのだろうか。好い加減な人物であることは分かった。

 さて、懸念されていたアメリカとイランの対立が、取り敢えずこれ以上は発展しないようだ。昨夜半トランプ大統領がイランへ報復宣言をするのではないかと心配されていたが、好戦的なトランプ大統領が米軍からさらなる攻撃は避ける考えを示した。これには、昨日のイランの米軍基地空襲が、人を殺害しないよう仕掛けられたということと、死傷者が1人もいなかったことが心象を良くしたのではないだろうか。ともかく少しでも戦争の危機が遠ざかったことは佳しとしたい。

 ところで、前記のゴーン氏の記者会見が、ヨーロッパで注目されていながらそれほど視聴率が伸びなかったのは、ちょうどその時間帯にトランプ大統領の重大な声明が発せられると言うニュースと、イギリスのハリー王子の財政的な自立を目指すとのニュースが影響したと言われている。ハリー王子が王室行事を減らしてアメリカでも仕事をして財政的な自立を目指すということらしいが、エリザベス女王を始め王室関係者が知らない話で女王は激怒しているという。

 まぁ世間も慌ただしくなってきたと思う。

2020年1月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com