4623.2020年1月8日(水) イラン、イラクの米軍基地を攻撃

 恐れていたことが起きた。米軍によるイラン革命防衛隊ソレイマニ司令官の殺害で、アメリカとイランの対立が新たな戦争へ発展することが懸念される危険な状態に入っている。その最中にイラン革命防衛隊が、報復としてイラク国内の米軍基地へ数十発の弾道ミサイルを撃ち込んだ。この攻撃でイラン国営テレビは、80人のアメリカ人テロリストが死亡したと報じたが、この報道には疑問が出ている。しかし、これがきっかけとなり、今後報復合戦が過激化することが心配である。狙われた米軍基地のうち、アサド基地には一昨年12月トランプ大統領が駐留米軍兵士を激励に訪れたことがある。

 昨日ソレイマニ司令官の喪が明けたのを機に、テヘラン市内では道路を埋め尽くし立錐の余地もないほどの市民が、司令官の死を惜しみ冥福を祈った。国民に慕われていた司令官の死は、最高責任者のハメネイ師も涙を流していた。

 それにしてもこの緊張状態を作ったのは、間違いなくトランプ大統領である。理由をこじつけているが、先に手を出したのはトランプ氏である。今夕の朝日「素粒子」欄にも「一方的な核合意離脱、そして国際法違反の疑いが濃い司令官殺害。口火を切ったのは、米国だったことを忘れまい」と書かれている。これから勃発するかも知れない戦争を視野に入れながら、対立を薄めるよう両国がお互いに話し合うことや、中国のような強大な仲介国が現れることが求められる。両国に友好国としてのパイプがある安倍首相にも出番を期待したいところだが、無理だろう。火中の栗を拾うことが危惧されているアラビア海に海上自衛艦を派遣することに反省することもなく、当初の予定通り派遣すると言う政府は、戦争に巻き込まれることを望んでいるのか、腹のうちを聞きたい。このまま手を拱いていると一足飛びに戦火に巻き込まれる不安がある中で、トランプ大統領を糾弾しない普通のアメリカ国民と、危機管理の薄い安倍内閣は戦火が近づいていることにまったく気が付かないのだろうか。バカにつける薬はないようだ。

2020年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com