4591.2019年12月7日(土) 日本、COP25で不名誉な化石賞受賞

 今月2日から13日までスペイン・マドリードで国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)が開かれている。6日には、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーベリさんがアメリカからヨットで到着して「希望はCOP25の会場にはなく、あなたたちにある。抗議を継続しましょう」と語ってCOP25の会場を訪れた。16歳にして堂々たる活動家ぶりである。

 1997年に京都で開かれたCOP3で、2020年までの温室効果ガスの削減目標を決めた京都議定書が締結された。2015年パリのCOP21では京都議定書を引き継ぐ新たな国際的枠組み「パリ協定」が採択された。

 「パリ協定」は、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて2℃未満に保つとともに、1.5℃に抑える努力をすることや、世界全体の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロにすることを目標に掲げている。

 しかし、その後世界第2位の温室効果ガスを排出するアメリカが、身勝手にパリ協定から離脱を発表した。温室効果ガスの削減が懸念されている。

 その最中に開会早々3日に日本はNGO・CANインターナショナルから不名誉な化石賞を受賞した。日本が第1位の温室効果ガス排出国の中国を押しのけて不名誉な賞を授与されたのは、梶山弘志・経済産業大臣が記者会見で「石炭火力発電など化石燃料の発電所は選択肢として残しておきたい」とアンタイムリーに発言したことが大きく影響している。この発言が世界のメディアで伝えられるや、国内外の市民社会がCOP25の交渉を交代させる言動であると即座に批判的な反応をした。

 COP25の開幕を前に、国連環境計画(UNEP)は各国の対策の不足が極めて大きいことを示し、その不足を埋めるために、大量の温室効果ガスを排出する石炭火力発電所の建設の中止を求める報告書を発表したばかりだった。2日の開会式でグテーレス国連事務総長も、各国の削減目標を引き上げるために、石炭「中毒」からの脱却を求めたばかりだった。その翌日に、世界第5位の排出国の閣僚が石炭火力発電を維持すると発言したことで、マドリードの会場は失望と落胆の空気が流れたという。ほくそ笑んでいるのは温室効果ガス排出量世界第1位の中国であろう。

 それにしてもどうしてこうも空気が読めないおバカさん大臣がいるのか。梶山大臣は、就任後40日で辞任に追い込まれた前任の菅原大臣から要職を引き継いだものだが、これまで原子力担当、国際博覧会担当など5度も所管役所のない担当大臣を拝命した。しかし、ここへ来て一気に重要官庁の大臣を務めることになり気持ちがふわふわしている。最近失態続きの菅義偉・現官房長官が今日政府内で要職を占めるに至ったのは、生前梶山大臣の父梶山静六元官房長官に取り立てられたからである。その恩返しに菅官房長官は、梶山氏を何とか経済産業大臣に引き立てた。梶山大臣は所詮保守地盤が堅い茨城県の世襲議員に過ぎない。

 状況を考えない軽率な発言は、自らにもマイナスであるが、経済産業省のトップとしてはいかにも肩の荷が重いと思う。安倍内閣も長らく続いたために人材も払底したのだろうか。お粗末な大臣が多過ぎて呆れている。

 ともかくCOP25の場において意に沿った日本としてあるべき考えを堂々と発言して誤解を招かないよう十分注意して欲しいと思う。

 さて、今日は今冬最低の寒さだった。やはり「24節気」の「大雪」だけのことはある。北海道や東北地方では節気通り大雪が積もった。

2019年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com