4573.2019年11月19日(火) 安倍首相在任日数、桂太郎首相に並ぶ。

 こんな奇跡的なことが起ころうとは夢にも思わなかった。安倍首相が7年前に首相に返り咲いた時、第1次政権では1年で首相の座を放り投げ、とても格別の才能があるとは思えない同じ人物が、憲政史上桂太郎首相と同じ最長在任2886日に追いつくとは想像も出来なかった。来年8月には、大叔父佐藤栄作首相の戦後連続最長在任日数も超える。

 しかし、どうにも分からないのは、さして傑出した才能があるとも思えない世襲議員が、どうしてこのように長い間日本の最高権力者の椅子に座っていられるのだろうか。

 今日の朝日夕刊「素粒子」には、安倍首相に対する恨みつらみが溢れている。「違憲の疑いが濃い安保法成立を強行」「憲法に基づく国会召集要求を拒否」「『辺野古NO』の沖縄の民意を無視」「公文書の改ざん、廃棄・・・」など止め処もない。昨今の「桜を見る会」開催のトラブルでは明らかに安倍首相事務所の公費の私有化であるが、それは昨年のモリカケ事件で懲りている筈である。首相夫妻が散々あくどいことをやっていながら、権力を行使して潜り抜ける悪知恵など、暴いたらきりがないほど隠れてこっそり悪いことをやっている。首相もモリカケ事件で随分反省した筈であるが、お花見気分に浮かれてもう過去のことは忘れてしまったのだろうか。

 結局長期政権は、本人の能力に関係なくずる賢さとか、破廉恥心が備わり周囲の支持さえ得られればやれるということなのかも知れない。

 さて、香港の様子が心配になってきた。抗議のため香港理工大学キャンパス内に立てこもっていた学生たち約600人が投降した。その三分の一の200人は校長らの説得に応じて出てきた中高生で、そのまま身柄を拘束されたという。ここへ来て香港政府、中国政府は強硬な姿勢を示している。18日に香港の高等法院は、香港政府がデモを抑え込むために施行した覆面禁止法を違憲とした。それに対して「1国2制度」を尊重すると言っていた中国政府が受け入れられないと応じた。中国がいよいよ共産党独裁者国家の仮面を剥いで本性を表してきたのである。これから香港がどうなるか心配である。

  それにしても香港を中国へ返還の際、中国と旧宗主国イギリスの間で結ばれた「1国2制度」を破ろうとする覇権国家・中国に対して、イギリスはそれを守らせるべき義務と責任があると思う。なぜイギリスはかつての植民地香港が苦しんでいる時に黙っているのだろうか。植民地を支配しながら一旦それを手放すや、ロヒンギャ問題と同じように何らの行動も起こそうとしないイギリスの無責任も問題である。

 ところで、イギリスがイギリスなら、アメリカもアメリカである。他国の事情に一切お構いなく自己主張ばかりして強引な介入をするアメリカが、ポンペオ国務長官の談話で、昨日パレスチナ問題のひとつ、イスラエルが占領するヨルダン川西岸のユダヤ人入植地問題について従来の見解を覆して、この問題は国際法に違反しないと今までの立場を変えたのである。同問題はジュネーブ協定違反とされている。他にもアメリカはエルサレムをイスラエルの首都と認め、テレアビブから在米大使館を移転したり、イランとの核合意破棄など、露骨な親イスラエル政策を次々と実施している。来年の大統領選に向け、アメリカの人口の四分の一を占め、イスラエルを支持するキリスト教最大宗派である福音派の支持を固める狙いがあるらしい。これをパレスチナ自治政府が認めるわけがない。トランプ大統領は、自らの利得のために世界の弾薬庫に火炎瓶を投げ込んだのだ。これでパレスチナ問題はより一層解決から遠のいていく。

2019年11月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com