4552.2019年10月29日(火) 教育現場における教師間のいじめ

 昨今教員の過重勤務が問題になっている。正規の授業担当の他に付加的な業務が多く、決められた労働時間を遥かに超えるケースが多いようだ。教員にはクラブ活動の顧問としての役割の他にも外部的な業務があるようだ。そんな中で今特定の教師による同僚教師へのパワハラ的な事件が問題になっている。

 中でも最も注目されているのは、神戸市須磨区の市立東須磨小学校の20代教師に対する同僚教師4人によるいじめで、教職を休むようになったという。テレビでもしばしばいじめている露骨な画像が放映されている。被害教諭は羽交い締めにされ激辛カレーを無理やり食べさせられたほか、熱湯の入ったやかんを顔につけられるなど、被害教諭が訴えるいじめ行為は50以上に上がるという。精神的に不安定になり、今年9月から欠勤する一方で、加害教諭4人も有給休暇の扱いで休んでいる。市民から市教育委員会に苦情も寄せられている。

 今月11日に被害教諭の代理人から被害届が提出され、市教委設置の調査委員会が初会合を開くなど、実態解明に向け動き始めた。神戸市は、休んでいる加害教諭4人に給与などが支払われ続けている点に批判が寄せられていることを受け、給与の支払いを差し止める新条例を検討していたが、職員を「分限休職処分」にした上で給与を差し止められる条例改正案が今日、市議会本会議で起立多数で可決、成立した。神戸市では明日にも改正条例を公布、施行する方針だそうである。施行を受け、市教育委員会が加害教員4人の休職処分の手続きを進める。

 今回の事件を考えてみると、校長の学校内の指導管理能力にかなり問題があるように思う。この55歳の女性校長は加害者教諭の4人の日ごろの仕事ぶりについて、かなり高く評価している。日ごろ職員室でもその暴力沙汰が他の教諭の目にも触れていながら敢えて問題視するような態度を示さず、お互いを庇いあっているのか、現場の管理に問題がないことを装っているのか、学校の他の教職員とともにまったく知らなかった神戸市教育委員会にも問題があるように思う。

 同時に神戸新聞が指摘しているように、日本教職員組合(日教組)もこの問題を取り上げるべきだと思うが、まったく腰が重い。かつての日教組は組織率も高く影響力が強かったが、今では平均組織率も22.6%にまで落ちた。その中で、兵庫県教組は40%の高い組織率を誇っている。9月にも働き方改革がテーマの日教組の討論集会が都内で開かれ、家庭訪問を廃止し、職員会議や授業参観の回数を減らしているといった事例が、誇らしげに報告されていたそうだが、これでは教育の原点から乖離しているように思える。家庭との接点も、職員同士の議論の場も減らし、教員を実社会から切り離そうと考えているようでは教育とは言えないのではないだろうか。日教組はこのような傾向を生徒の教育にとって良いと思っているのだろうか。

2019年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com