4524.2019年10月1日(火) 中国建国70周年と消費税値上げ

 1949年10月1日、中華人民共和国は設立された。ちょうど今日70年目の国慶節(建国記念日)を迎えたことになる。その年の7月毛沢東主席が行った演説では、「生命と自由、幸福の追及の代わりに階級、国家権力及び政党が消滅した社会主義と共産主義社会を目指し、民間企業の国有化と農業の社会化を通じたロシアのような偉大で素晴らしい社会主義国家、民衆の民主的独裁による強力な国家機構を追及する」というものだった。このテーゼが必ずしも、新生中国にとって理想のものとは思えないが、この演説で話された理想はほとんど実践されたようには思えない。最後に語った「民衆の民主的独裁による強力な国家機構を追及する」との夢は、現代中国においては絵空事でしかない。むしろ「一部の独裁者による強力な国家機構を追及する」実態になっている。現在の習近平国家主席が、権力の座に固執して憲法を改正してまでも永久主席の座に留まろうと画策したり、権力を民衆の民主的な独裁に委ねる発想は全く見られない。

  そして香港返還時にイギリスに約束した「1国2制度」自体が危機に瀕している。香港のデモが徐々に広がりを見せ、今日の新中国建設70周年に影響をもたらさないことを願っていた中国政府としては、香港の現状は100%納得のいく状態ではなかったと推察出来るが、それを意に介しない素振りを天安門広場で兵士ら約1万5千人が参加した派手な軍事パレードを披露することによって、現在の中国が目指すものと国力を諸外国、並びに中国国民に示すことが出来たと考えているようだ。香港の在り方をこれからどう香港市民に納得させるのか。これだけ世界の注目を集めるようになっては、力づくで香港をねじ伏せるわけには行かなくなった。

 その香港で警察はデモを禁止していたが、学生を中心とするデモ隊が行動を起こして激しい衝突となり、警察が発砲して高校生が重体となる騒ぎとなった。デモ隊は習近平主席のポスターや、建国70周年看板を壊して中国政府の干渉に抗議をしていた。ほとぼりが冷めたころにどういう出方をするのか、中国の行動から当分目を離せない。

 別件であるが、1949年と言えば、わが母校・湘南高校野球部が甲子園初出場、初優勝を遂げた1年でもあった。

 さて、今日から消費税が原則2%引き上げられた。とにかくややこしくてこれまでにないほど分かり難い値上げである。早速各地でトラブルが発生している。細かいことはともかく、これほどトラブルを起こすようでは、これから消費税値上げに対する強い反対が起きるだろう。財務省はあまり気にしていないようだが、それが一番問題だと思う。

2019年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com