4522.2019年9月29日(日) ラグビー快勝と50㎞競歩金メダルの陰で原発汚職

 案の定今朝の朝日新聞一面のトップ・ニュースは「日本 優勝候補破る」で、このニュースはアイルランドを始め海外メディアでも日本を称えて大きく伝えられた。そして今日ドーハで開催されている世界陸上大会で好結果をもたらすことに連鎖的につながった。男子100mレースで期待の日本人3選手が準決勝に進んだが、3人とも決勝へ進むことが出来なかった中で、男子50㎞競歩で鈴木雄介選手が日本の五輪、及び世界陸上史上初めて金メダルを獲得した。

 良いことは続くものだと思っていたが、どっこいスポーツとは無関係の分野で呆れるようなことがあった。高浜原子力発電所に絡む贈収賄事件が公になったのである。これが朝刊一面ラグビー記事の隣、肩に掲載されている。

 関西電力の役員ら20名が2011年から7年間に亘って原子力発電所が所在する高浜町の元助役から、実に3憶2千万円もの巨額の金品を受け取っていたことが昨日の新聞に大きく報道されていた。今日の記事は、その関西電力の八木誠会長がそれ以前の2006年から10年まで金品を受け取っていたというものである。

 金の流れはいつもの贈収賄のケースと同じようなものである。原発関連工事を関電から受注した業者が裏金を高浜町の実力者だった元助役へ渡して元助役から八木会長らに金品を贈ったものである。元助役は今年3月に亡くなっているが、八木会長と会うたびに金品を手渡していたというから、双方ともモラルや良心なんて持ち合わせていなかったのだ。これは明らかに会長らの関電に対する背任事件である。高浜町の原発が再稼働した裏には、この辺りの闇のような裏金の流れがあったことは間違いない。記者会見でも岩根茂樹・関電社長はこの辺りの事情については質問に素直に応えてはいなかった。しかし、うしろめたさは承知していたようで、今後この事件を知って怒っている経済産業省が指導して経緯を明らかにして責任を取るよう公正な対応と処置を取ってもらいたいものである。

 古い体質の経営と、利益がらみの企業と自治体とのずぶずぶの関係、役員の背任をこのままにしておいて良いのか。超一流企業が犯した裏金ビジネスをこの際洗いざらい公にしてこのような不祥事を2度と起こさないよう政府、財界は一体となって取り組むべきである。菅原一秀経済産業相は「言語道断。ゆゆしき事態だ」と断じているが、これほどのスキャンダルをどうして見抜けなかったのだろうか。ここには役所特有の甘さがあったと思う。

2019年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com