4482.2019年8月20日(火) 香港デモと中国政府の出方

 香港の大規模なデモが11週目に入った。一昨日には170万人もの市民がデモに参加した。この動きに対して中国政府は神経質になり、市民のデモをテロ呼ばわりして事あらば直接介入の動きを見せ、九龍隣の深圳に武装警察隊を待機させて威嚇している。

 1997年香港返還の際、1国2制度を中国が国際社会に向かって約束した。その決め事をないがしろにするような行動を取るなら、当然国際社会は中国を許さないだろう。今日の中国はとても民主主義国とは思えない。国際的に受け入れられない自己主張も強く、中国共産党が強いる利己的な思想や政策を押し付ける傾向が強い。元々民主主義とはかけ離れた中国式社会主義思想を唯一絶対の存在と決め、強引なまでに悪しき論理と体勢に固執するのは、毛沢東国家主席を神の如く信じて、毛思想が間違いないとの妄信の下に国がひとつにまとまって新生中国が創建されたからである。

 しかし、一人の独裁者・毛沢東の国造りの過程でどれほど多くの庶民が犠牲を払わされたかということについて、中国の人々はあまり知らされていないのではないだろうか。近代になって世界最大の虐殺者、殺人鬼とされるのは、実に6千万人もの国民を殺害した毛沢東である。そして、永世独裁者として権力の座に君臨しほしいままに振舞ってきた。国家全体は言うに及ばず地方自治体においても民主的で公平な普通選挙は一切行われず、共産党がすべてを取り仕切って今日に至っている。こんなことは現代社会においてとても受け入れられるものではない。毛沢東を盲目的に信奉し、第2の毛沢東を目指す習近平・国家主席が永世国家主席を目標にしているのも、現在の似非社会主義国家の横暴な国造りの礎となっている。こういう国が民主主義を声高に叫ぶ権利があるだろうか。

 香港デモの先行きは、中国政府の出方如何にかかっていると言っても好い。今はただ世界が中国の次の行動にどう出るか息を潜めて見守っている。

 その中国が、北朝鮮への国連経済制裁に賛同しているにも拘らず、北朝鮮に対して違法に食料支援を本格的に行っている。北朝鮮はミサイルを一方的に飛ばして周辺諸国を脅かせていながら、まともな国連への制裁解除への話し合いを行おうとせず、こっそり中国から食料を分けてもらい、中国政府はルール違反を犯しながら、北朝鮮を甘やかし世界中を不安に陥れている。

 こういう中国の考え方と体質からすると香港デモの解決はそう簡単には片付きそうもない。

2019年8月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com