4407.2019年6月6日(木) 外務省はなぜ安田純平氏に旅券を発給しないのか?

 旅券を申請したが普通に発給されず、すでに申請から5か月も経っていながら未だに旅券を手に出来ない。申請者は誰かと思いきや、シリアで3年4か月身柄を拘束された後、昨年10月に開放されたフリー・ジャーナリストの安田純平氏である。外務省もその事実を認めているということは、旅券を発給して安田氏がまた危険地域に取材に出かけ、再び身柄を拘束されるような事態が起きれば、また物議を醸し、相当な費用と犠牲が出ることを恐れたのだろう。体の好い「出国禁止」処分である。昨年開放の際、日本政府がイスラム国(IS)に対して密かに多額の身代金を支払ったとの噂が流れた。

 今度の申請については、安田氏が旅行先で再び拉致されることを懸念して旅券発給を理由もなく先伸ばしをしているだけだろう。旅券法では、国益を害する可能性がある場合、旅券を発給しないことがあると規定している。しかし、安田氏のケースは、それに該当するのだろうか。外務省は旅券を発給しない理由を明確に安田氏本人に伝えるべきではないだろうか。それにしても、このケースのように憲法が保障する海外渡航の自由を外務省の主観的な理由で安易に差し止めて良いものだろうか。

 昨年11月箱根ロータリークラブで講師を依頼され行った卓話では、タイミング的に安田氏の開放にドンピシャリで氏の行動とその是非について、私の体験上から安田氏の行動を評価する視点でお話しした。人命は最も尊重されるべきであることは論を俟たない。だからと言って危険だからと尻込みしていては、最も貴重な情報が溢れている最前線で生きた情報を得ることは出来ない。むしろメディアでは、自分たちの身の安全ばかり考えて社員を危険地域へ派遣しようとしなくなっている時代に、安田氏のように危険を恐れず直近の情報を入手しようとする人物は、得難い人材だと言えるのではないだろうか。

 さて、トランプ大統領は日本同様にイギリスに国賓として訪れ、公式には歓迎されたが、国民は冷ややかな反対デモによる出迎えだった。現在フランスを訪問中であるが、特別に歓迎されたという話は伝わって来ない。随分日本との差を感じたのではないか。

 国のトップ人事としては、昨日予想通りと意外だった、それぞれ異なる首相の決まり方があった。予想通り首相に選ばれたのは、タイのプラユット暫定首相である。新首相は、2014年5月にクーデターを主導して軍事政権を確立した。去る3月に行われた総選挙で下院過半数を獲得し、加えて親軍政派の上院250人も賛成票を投じるため、プラユット氏が新首相に選出されるのは確実になった。

 意外だったのは、デンマークの総選挙でラスムセン現首相率いる右派の自由党に勝利した左派・社民党のフレデリクセン党首の勝利である。昨今右傾化傾向の強いヨーロッパ政界において左派が勝ったのは意外である。それには移民排斥の右派に対して、彼らの意見を一部受け入れるような移民抑制の強化という左翼とは思えない新手の考えを出したことである。新首相は女性としては同国2人目である。

2019年6月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com