4378.2019年5月8日(水) JT「タバコ」のCMが問題に

 昨日テレビで「火を使わないたばこ、煙の出ないたばこ、においがつかないたばこ。私たちJTの研究から新しいたばこが生まれ、喫う人と喫わない人の新しい関係が生まれていきます。製品も、マナーへ」というような主旨の日本たばこ産業(JT)のCMが流れた。タバコは今や世界中で嫌われ者、厄介者とされ、排斥、追放されつつある。だからこそ会社も「たばこ」という社名を隠すようにJTを前面に出している。このCMを観た瞬間、おやっと思った。黙っていれば良いのに、正面からタバコのプラス面を打ち出しているのだ。すでに一般社団法人日本禁煙学会理事長から麻生財務大臣に宛ててこのCMの放送中止を訴えていることも知った。さもありなむと思った。

 2020年東京オリンピック開催を控えてIOCは東京での禁煙を求め喫煙に厳しい注文をつけている。飲食店内の喫煙も禁止を求められている。とにかくタバコは今や居場所がない状態になっている。そんな時にいくら自社製品のPRとは言え、このCMはこういう禁煙ムードに正面から立ち向かうものだ。世界保健機関(WHO)も喫煙に厳しい基準を設けている。財務省は来年4月からタバコ箱の包装の5割のスペースに「喫煙は健康を害する」との警告文を記載しなければならないと決めた。外国では不快感を催す画像をタバコの包装紙に描かれている。今年1月30日付朝日夕刊には、表面に目をそむけたくなるほどの絵が描かれたタバコの写真が載っていた。例えば、フランスのタバコには「膨れた舌」、イタリアは「歯がぼろぼろの口内」、トルコでは「真っ黒な肺」などと書かれたカラーの見苦しい絵が描かれている。これではタバコを買う気にもならない。その点では、日本はまだ甘いと思う。

 タバコと言えば、アメリカではインテリ層はほとんど喫わない。かつて日本の教育視察団のお供でアメリカの小学校を訪問した時、喫煙する先生が何人もいたので、そのための時間を取って欲しいとお伺いをたてたところ、校長先生から厳しくお説教されたことを思い出す。

 80年間タバコを喫わないで良かったとつくづく思っている。

2019年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com