4374.2019年5月4日(土) 解消されない日米地位協定の不平等

 令和になって初めての皇居における一般参賀である。前夜から並んでいた人たちを含めて14万人以上もの国民が祝意の気持ちを胸に皇居へ来た。天皇陛下は初めて天皇として皇后陛下や秋篠宮ご夫妻、皇室の皆さまとともに6度もお立ち台で国民に即位の挨拶をされ感謝の言葉を述べて国民の祝福に応えておられた。都内では24.8℃という6月上旬並みの気温に、並んでいた人たちの中には体調を崩される人もかなりいた。遅くなって都内を始め関東地方全域に雷と雨が伴い、ヒョウが降った地域もある。

 そんな中で皇位継承の公式行事は滞りなく終了した。これから皇室では伝統的な儀式がいくつか行われ、10月に新天皇・皇后陛下の即位祝賀パレードが行われて即位の行事は一応の区切りとなるようだ。

 ついては、昨日の憲法記念日に際して安倍首相が支持団体に改憲への強い意欲をメッセージとして送った。しかし、昨日、今日と憲法議論は国民が注目するような形では行われなかった。

 今朝の朝日新聞社説に「憲法と日米地位協定」と題して、日米地位協定について日本政府に対する強い論調が目立った。私も学生時代に参加した「60年安保反対闘争」で当時の岸政府が、国民の強い反対を押し切り、改定した安保条約の日米地位協定について問題視しているのだ。ひとつは、多発する在日アメリカ軍人による殺人などの事件が地位協定によって日本側の捜査に厚い壁を作り、アメリカ軍基地の自由使用を最大限保障していることである。

 2つ目は、関東上空においてアメリカ空軍が管制権を握ったまま手放さないことである。横田空域という空の壁があり、それは1都9県にまたがり、羽田や成田に発着する民間航空機はアメリカ軍の許可がなくては通過も出来ないというどこの国の話かということになる。特に後者についてはあまり日本国民には知らされておらず、知らない人が多いことである。同じ第2次世界大戦敗戦国のドイツやイタリアでは、1980年代以降に見直しを実現し、国内法が原則となっている。こんな理不尽なことはない。誰が考えてもおかしいことが、安倍首相や自民党議員にはそうとは思えないようで、地位協定改定には後ろ向きなのだから何をかいわんやである。昨夏亡くなった翁長雄志前沖縄県知事は、いみじくも「沖縄には憲法の上に日米地位協定がある」と言った。安倍首相の自宅2階には、トランプ大統領が住んでいるとでも言っておこう。

2019年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com