4296.2019年2月16日(土) 安倍首相の非常識、トランプ大統領をノーベル平和賞候補に

 アメリカのトランプ大統領が「国家非常事態」を宣言した。アメリカが非常事態とは何事か、本当か。そしてそれはどんな非常事態か。2016年の大統領選以来これまで散々話し尽くされて来たように、アメリカとメキシコの国境に壁を作り不法侵入者からアメリカを守るという理由で強引にそのための費用を予算化しようということが試みられてきた。だが、議会で予算化の承認を得られない。トランプ氏はアメリカが麻薬やギャングの侵略を受けているとか、違法薬物や人身売買が流れ込んでいるのに国境に遮蔽物もなく防げないようではアメリカを再び偉大な国家にすることは難しいと騒いで、強引に大統領権限により国防総省予算の内約8,800億円を壁建設費用として捻出すると公表した。当然民主党は反対する。民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は、「存在しない危機を理由に法的根拠もなく非常事態宣言を行うことは、著しく憲法に違反している」と共同声明で指摘した。現職大統領が議会のトップから憲法違反と指摘されること自体異常である。更に両氏は、軍と国の安全のために緊急に必要な防衛予算を盗用することはアメリカの安全を損ねるとまで非難している。国内の市民団体からは抗議の声が上がり、各地の市民団体が地裁に提訴する動きがある。カリフォルニア州とニューヨーク州知事は、法廷で争うと述べているが、トランプ大統領はどこ吹く風という感じで、我々は最後には最高裁で勝つと強気一辺倒である。この行方はどうなるのか。

 トランプ大統領の無軌道のような言動については、かねてより国内外から批判が高まっているが、何を血迷っているのかトランプ大統領を高く評価している変わり者がわが日本にもいるのだ。それが世襲政治家・総理大臣安倍晋三だというのからその世間知らずぶりには呆れるばかりである。

 その安倍首相のトランプ贔屓というのが、何と首相がトランプ大統領をノーベル平和賞候補として推薦したということなのである。このフェイク・ニューのような話には開いた口がふさがらない。首相はトランプ氏に送った書簡の中で日本を代表してトランプ氏をノーベル平和賞に推薦したと書いていて、お調子者のトランプ氏は真に受けて喜んでいるようだ。しかし、誰が考えてもトランプ氏が平和賞にふさわしいとはとても思えず、トランプ大統領はもとより安倍首相の鈍感ぶりと非常識には二の句が出ない。アメリカの良識派の人たちからも呆れられるだろう。書簡では日本を代表してトランプ氏をノーベル賞候補者に推すということだが、我々普通の日本人はこんな馬鹿げたことはまったく考えていない。総理大臣の職権で身勝手にトランプ氏を忖度する、このような人物を総理大臣に選んでしまった我々日本人も謙虚に反省しなければならないと思う。

 極めて不愉快なニュースである。

2019年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com