4288.2019年2月8日(金) 昨今の残酷な児童虐待の実態

 このところ連日児童虐待に関する悲惨なニュースがメディアで報道されている。事件は1月24日に10歳の小学4年生の女児が父親から虐待を受けて亡くなったことから、学校、及び教育委員会の子どもの気持ちを考えない対応、そして児童相談所の杜撰な扱いが問題視されている。それにしてもこれまでの児童虐待とは、若干問題の捉え方が異なり、死亡した女児をどうして救うことが出来なかったのか、専門家も交えて意見が交換されている。一連の報道をよくよく考えてみるに、あまりにも女児に対する接し方の中にか弱い女児への心の通った対応という点に関係者全員が問われるべき問題点があると思う。今朝の朝日でも一面トップと社会面でも大きく扱われ、異常な事件だということがよく分かる。

 幼い子どもを保護すべき父親が暴力を振るい、それを承知していた母親が救いの手を差し伸べなかったことが悲劇をもたらした大きな原因である。すでに両親ともに逮捕されている。女児が父親からの暴力に耐えられず、学校に訴えたにも拘わらず学校は彼女を助けられず死亡させられた。彼女が学校に訴えた手紙の最後部には「~先生、どうにかなりませんか」と4年生にしては、しっかりと自分の置かれた辛い環境と先生へ本当に助けて欲しいとの懇願が表れている。それは無駄だったということになるのだろうか。学校は助けてあげようとの気持ちが空回りして、その手紙を父親に見せてしまった。児童相談所の対応も拙かった。

 野田市、千葉県だけの問題ではなく、全国的に注視される虐待対応問題となってしまった。厚生労働省も乗り出し、昨日は安倍首相も2度とこのような事件を起こさないよう関係個所へ通達を出すようなことを公表した。

 今回の事件が異常なのは、暴力を振るった父親はとても許されるものではないが、傍にいた母親が子どもに対して何の力にもなってあげられなかったことが、このような悲惨な結果を招いた。

 かつてはあまり騒がれなかった児童虐待が、メディアが発展したせいもあり公に知られるようになった。背筋の寒い思いがする。昨年1年間に虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した子どもの人数は8万人、対前年22.4%増となり過去最多となった。これは刑法犯が前年より10.7%、16年連続で減少している中であまりにも過剰である。これは厚生労働省と文部科学省だけの問題ではなく、国を挙げて取り組むべき課題であると思う。

 偶々国連子どもの権利委員会は、昨日日本に対して体罰の全面的禁止の法制化について勧告した。内容的にも日本では学校で体罰が禁止されていても親が子どもをしつける時に許容されている現状があると指摘した。いつになったらすっきりした解決案が作成されるのだろうか。

2019年2月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com