4254.2019年1月5日(土) トランプ・リスクが世界経済を震撼させる。

 一昨日中国の無人月探査機「嫦娥(ジョウガ)4号」が、世界で初めて月の裏側に着陸した。裏側は地球から直接見えないため、科学的に未解明な点が多い。新聞報道によると中国には将来の資源開発などで優位に立ちたいとの狙いがあるようで、今後宇宙開発でもアメリカとの覇権争いが激しくなりそうだ。アメリカにとっては、中国の力を一層警戒するようになり、実務面でもお互いの鞘当てがエスカレートするのではないか憂慮される。

 米中間の経済戦争が世界の経済、就中株式市場に大きな影響を与えて前日ダウ平均が大きく値下がりしたが、4日朝アメリカ労働省が発表した2018年12月の雇用統計でアメリカの景気堅調さが確認されたことから、反転して4日ダウ平均3.29%、$746も上がり、ダウ終値は$23,433となった。ダウと日経平均は相互に連動するので、週明けは日経平均株価も値上がりするのではないだろうか。

 ただ、今年の景気予報、株価予想はアメリカ・ファーストと思いつき発言をするトランプ大統領の言動如何によって大きく変わる可能性がある。昨日大発会でトランプ氏の発言を懸念していた大和証券社長のように、今日の朝日夕刊「素粒子」欄でも「~米中摩擦、その震源のトランプ・リスクを何とかせねば」と書かれ、専門家の間ではトランプ大統領の存在自体が世界経済に影響を与えていると見ている。

 さて、今年はラグビーのワールド・カップが日本で開催され、その勢いを以て来年2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開かれる。スポーツ界で国内外に話題を提供していることがある。

 国外では、相変わらずロシアの国家ぐるみのドーピング問題がすっきりとしないことである。昨年末までに世界反ドーピング機関(WADA)がロシア側に要求していた検体データをロシアが提供しなかった責任を追及している。そもそも検体データ提供を条件に3年間のロシアの資格停止処分を解除していたこともあり、それが反故にされたことで、ロシアの対応に対してWADAはロシアに対して断固たる処置を取るべきだと強く主張している。いつも責任逃ればかりやっているロシアは糾弾されるべきであるが、そうなるとリオ・オリンピックに次いで、次の東京オリンピックにも出場出来ないことになる。ロシアはこの問題を国がらみで取り組んでいるが、国の姿勢がだらしないのか、現状はロシアに不利に傾いたままである。

 もうひとつ、国内で地味ながら問題となっているのが、アメリカン・フットボールのライスボウル試合形式である。一昨日行われた日本選手権(ライスボウル)は、社会人王者の富士通と学生王者の関西学院の間で行われ、52-17で富士通が3連覇を遂げた。今問題となっているのは、両チームの得点差である。今や社会人チームの10連覇となり、この間の勝者と敗者の得点差は開く一方で、今年最大となった。毎年チームに新人選手を迎え入れチームを固めたうえに、外国人選手を補強して力を付けている社会人チームに比べて、肉体的にも劣る学生チームが4年間の限られた期間にチームを強化するのは難しい。それが近年両者の間に、明らかな格差が出来てしまった。その差は開く一方である。当事者である関学のディレクターですら、社会人王者と大学王者のマッチアップは歴史的使命を終えたと語っている。

 かつてラグビー界も同じような問題を抱えていた。社会人チームに歯が立たなくなった大学社会人チームとの日本選手権は行われなくなり、日本選手権は社会人チームの中で行われるようになった。

 日本アメリカンフットボール協会でも、試合方式の変更を視野に今後ライスボウルの在り方を検討する考えを語った。果たして来年はどういう形式になるのか、楽しみでもある。

2019年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com