2863.2015年3月16日(月) 世界的に増える高層ビル

 今世界各地で超高層ビルの建設が進められている。特に、経済発展の著しい中国や、原油で潤うアラブ首長国連邦のドバイでは高層ビルが急速に増えている。中国では、高さが200m以上の高層ビルの数がこの15年間で7倍にも増え、その数は346棟となり日本の10倍近い棟数である。摩天楼と言えば、一昔前はニューヨーク・マンハッタンと言われたが、今やアメリカ国内の高層ビルは中国の半分にも満たない170棟である。

 ただ、中国本土の例は別として、土地が狭い処では上へ上へと高くなっていくのもある程度理解できる。古くは香港、シンガポール、現在のドバイ然りである。しかし、日本の高層ビルが韓国のそれよりも数が少ないのは、韓国が日本以上に一極集中が進んだことがあるが、その一方で日本には地震の心配があるからである。

 それに引き比べてヨーロッパでは、景観美の視点から高さ制限などの建築規制が課せられ、条例上あまり高い建築物は建てられない。

 その高層建築物の免震上極めて効果的として採用されている免震装置のゴム製品の中に、大手メーカー、東洋ゴム工業社製の一部製品に、国の性能基準に適合していない製品が使用されていることが明らかになった。

 高知県庁舎、愛媛県庁舎や長野市庁舎や、消防署建物や病院の建設に不適合の装置が使用されていたとして、東洋ゴム、建物依頼者と施工者、関係自治体などが今大慌てで対策を練っている。大阪の寝屋川市の消防本部新庁舎もまもなく完成するというが、不適合の19基の免震装置が使用されていることが判明した。消防本部の建物が、地震が襲ったら危ないというのでは、笑い話にもならない。

 高層ビルは、地震の影響以外にも火災発生の際の避難路や住民同士の交流など、いくつかの問題がある。かつて旅行会社に勤めていた頃海外のホテルに宿泊する場合は、1階か2階以外の部屋には泊まらないと言っていた顧客がおられたが、その理由を尋ねると火事が発生した時に窓からすぐ安全に逃げられるからと仰っていた。できるだけ地上に足がついている方が安心できるという人間心理が強いからだろう。

2015年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com