4180.2018年10月23日(火) 150年前の今日、明治時代へ

 今日は元号が慶応から明治に改められ江戸時代に別れを告げた近代夜明けの日である。その明治150年を祝う政府の記念式典が今日憲政記念館で開かれ、安倍首相以下政府首脳、国会議員、角界の代表者が出席した。ところが、意外にも天皇・皇后両陛下は出席されなかった。宮内庁によると政府からお声がかからなかったという。この種の記念式典で政府が皇室を利用して自分たちの考えや、保守的言動をPRするのには賛成出来ないが、前例を踏襲しないということに関して、やはり政府としては説明する必要があるのではないかと思う。前回100周年式典では、昭和天皇・皇后出席された。現代において元号が変わるということは、天皇制にとっては極めて重要なことであり、天皇制との関係なしには考えられない。その意味では、今日天皇が式典に出席されなかった理由が分からない。

 明治時代についてはいろいろな意見や見方がある。近代社会の幕開けとなり日本が世界に窓を開いた時代となったとの声がある一方で、日清・日露戦争とアジア植民地拡大により、戦争と非民主化の時代だと批判的な見方も多い。共産党は「侵略戦争と植民地支配に向かった負の歴史。丸ごと祝い、肯定するような行事には参加出来ない」として式典に出席しなかった。

 問題はこれから現行憲法を改正していこうとする自民党の考え方と出方であろう。国家の防衛のために、自衛隊を名実ともに整備して正式に軍隊と認めさせるために憲法を改正すること目指している。その第一歩として今の自衛隊の存在を憲法上に明記しようと考えている。すべてはそういう流れを作ろうとの意図に基づいている。天皇陛下は一切発言しないが、政府の見解は天皇の考えとは乖離しているのではないかと思う。

 さて、トランプ大統領が正式にINF(中距離核戦略全廃条約)の破棄を検討している。INFとは、1987年に米ソ2国間で当時のレーガン大統領とゴルバチョフ大統領によって締結された核軍縮と特定兵器全廃を決めた無期限の条約である。この条約では搭載される弾頭が、核弾頭か通常弾頭を問わず、地上から発射される射程500~5500㎞の弾道ミサイル、及び巡航ミサイルをすべて廃棄すると決められている。それにも拘わらず、ロシアは条約を守らず、2014年に地上発射型巡行ミサイルを開発したのは条約違反であり、対抗上アメリカも核戦略を強化すると言っている。更に中国が米ロ全廃条約を尻目に開発を続けていることもアメリカの脅威につながると主張している。ロシアは条約の継続を望んでいると語っているが、もうトランプ大統領の思い込みを止められないのではないか。今後核開発競争が再現すれば、核を持たない国々にとっては核戦争の脅威に晒されることになる。特に、ユーゴスラヴィア崩壊前にユーゴに対して無差別に空襲を行ったNATO軍を抱えるヨーロッパ諸国では、当分このままハラハラしながら見守っているより仕方がないようだ。

2018年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com