4169.2018年10月12日(金) ジャーナリズムに関する大学公開講座

 駒澤大学ジャーナリズム・政策研究所主宰の公開講座受講歴も今年で11年目になったが、毎年少しずつ講師が入れ替わる。それは主に講師の定年によるものである。今年受講している講義の中では、朝日新聞社広報部主査・向井貴之講師が担当する「デジタル時代の新聞ジャーナリズム」と、今日受講した共同通信社前東京支社長・山田克講師の「体験的ジャーナリズム論」が興味深い。前者では一昨日の講義のように今新聞からネットへ移りつつある読者をどう新聞購読者として捉えることが出来るか、またデジタル化の傾向の中でどう両立させていくかという点に腐心している現状について新聞社内の考え方を直に聞けるのは参考になる。後者については、今日受講したが、まさに新聞社内部でどう取材し、それを記事にしてアピールするかという点についてご自身の体験論を伺った。例えば、今から35年前に寡聞にして知らなかったが、こんな記事があった。山田講師が取材し、社内で編集局長努力賞を受賞した特ダネである。

 1983年夏多発する少年非行事件の対応をめぐって高校と警察との間で、今なら個人情報漏洩事件として大きな社会的問題となった、高校から警察へ生徒のプライベートな情報の提供事件である。高校生のプライベート情報の提供を学校と警察だけで家族も知らない間に決めてしまうという恐ろしい問題である。ところが意外にも秋田県内のほとんどの高校生の名簿や写真を学校側から警察に提供していた事件で、山田講師は入社2年生程度の時点で取材して、この事象は地元紙のみならず、その後大手毎日新聞でも堂々報道され、朝日では社説にまで取り上げられたほどだった。地方記者の記事が全国的に報道されることは滅多にない。その辺りの新聞社内の記事として取り扱う過程などについて興味深く伺った。

 一応今年を最後に受講を止めようかと思っているが、まだ興味深い講座があるならこれを見過ごすのももったいない。来月一杯で講座は終了するが、来年春までにもう少し考えてみたいと思っている。

2018年10月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com