4104.2018年8月8日(水) 翁長雄志・沖縄県知事急逝

 最近アウトロー的で好ましからざる事象が頻発し、各テレビ局が挙って伝えているが、どうも気持ちがすっきりしない。

 その最も象徴的な事象は、いずれも本ブログで取り上げたことがある①東京医大の不正入試と、②日本ボクシング連盟の山根明会長に対する告発状である。

 ①ここ数年入試で女子受験生の点数を減点して差別していたというものである。その発端は女子は男子に比べて病院勤務後に結婚、出産で辞める医師が多く医師不足に苦慮するからという何とも身勝手な論理だった。女性医師より男性医師を重視するという単純な男女差別観である。

 この問題にはいくつか疑問がある。明るみに出た原因は、今年厚労省前局長の子息が東京医大入試で加点してもらって裏口入学し、その見返りに大学は提案したブランディング事業を認めてもらい補助金を受けることになったことが暴露され、贈収賄事件として摘発された。そしてその捜査過程で芋づる式に本件が明るみに出たのだ。男女差別の他にも3年浪人生以上からも減点していた。実際厚労省前局長子息は加点してもらって合格したが、合格者175名中174番目だったというから、加点されなかったら不合格だった。これに対しては女性は言うに及ばず、多くの人から非難が集中している。

 ②今日大阪で開かれた日本ボクシング連盟臨時総会で山根会長は辞任を表明した。ただ、この辞任が会長辞任なのか、理事辞任及び除名なのかはっきり分からない。この点についてその後都内で開かれた告発者「ボクシングを再興させる会」代表者らによる記者会見でもこの点の不明瞭さが指摘された。この間ヤクザとの絡みや、レフェリーの不正判定問題、資金流用など不明瞭な問題がいくつも浮き彫りになっている。鈴木大地スポーツ庁長官は、山根会長にはボクシング界から永遠に姿を消してほしいとまで言われている。

 これは山根会長一人の問題ではなく組織自体の問題で、日本ボクシング連盟が今日まで何の対策も講じずに問題を引きずってきたせいである。

 結局これらはワンマン体制というか、長年に亘りひとりの人間が、権力を握り物事を合議制で進めて解決していくというガバナンスに欠けていたことから発生した組織自体に問題がある。

 これら2つの問題がこれからどう解決されるのか、大きな関心を持って見守られている。

 さて、突然だったが、今夕翁長雄志・沖縄県知事がすい臓がんのため67歳で亡くなられた。4年前4期務めた那覇市長から圧倒的な民意を得て県知事になってまだ1期目だった。最近のやせた様子から健康を害していることは見て取れた。辺野古基地移転に強く反対し、元自民党沖縄支部幹事長だったにも拘わらず政府と対立し、最近では安倍首相は翁長知事に会おうともしなかった。これまでの政府の対応は知事のみならず、沖縄県民の気持ちを逆なでするものだった。11月に知事選が行われる予定だったが、翁長知事の死亡により50日以内に繰り上げて行われる。沖縄県民は知事の死を悲しんでいるが、果たして政府首脳はどんな気持ちでいるだろうか。

 まだ県民と約束した公約を実現し切れていない知事にとっては、さぞ悔いが残ることだろう。精一杯前向きに頑張っていただけに、気の毒としか申し上げようがない。翁長知事のご冥福を心よりお祈りしたい。

2018年8月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com